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クリント・イーストウッドが89歳になっても年1本映画を撮り続ける執念とは?

90歳になるのは、また80歳になるのと同じ

リチャード・ジュエル

©2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BVI) LIMITED, WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

 ところで、今作のプロデューサーにはレオナルド・ディカプリオも名を連ねているが、直接的には製作に一切関わっていない。最初に映画化の権利を持っていたのが彼とジョナ・ヒルだったので、2人に敬意を表するべく、肩書を与えたのだという。 「彼らは他にも企画をたくさん抱えていて、本作については止まったままだったんだ。おそらく私ほどにはこの話を愛していなかったんだろうと思うよ。私はこの話にとても強いものを感じたから買い取った。私が作らなかったら、この話は永遠に映画にならなかったかもしれない」  過去のインタビューでも、イーストウッドは「興味深い実話を発見すると、自分で語りたくなるから」と、映画を作り続ける理由を説明している。引退するつもりはさらさらないと言う彼は、今年5月、90歳という記念すべき誕生日を迎える。 「ただ、そのことに特別の意味は感じないな。また80歳になるのと変わらない気がするよ(笑)。とはいえ、道を横切るときはちゃんと右と左を見るようにしているし、与えられた人生は大切にしようとしている。今と違うものは、何も望んでいない。このままもっと生きさせていただけるならそれもいいし、そうでないならそれを受け止めるまでだ。とにかく私は、今を楽しませてもらっているよ」 ▼実話にこだわり続けるイーストウッドの近作3選 ●『ハドソン川の奇跡』(’17年) ハドソン川の奇跡’09年、離陸直後に制御不能となった飛行機を瞬時の判断で川に不時着させ、乗客全員を助けた機長。だがその行動を事故調査委員会から追及され、彼は殺人未遂に問われる。主演はトム・ハンクス。 ●『15時17分、パリ行き』(’18年) 15時17分、パリ行き’15年、パリに向かう高速鉄道でテロ事件が発生。乗り合わせた幼馴染みの若者3人が犯人を取り押さえた顛末を映画化した。プロの俳優ではなく、本人たちを主演に起用する大胆な試みが話題に。 ●『運び屋』(’19年) 運び屋イーストウッドが監督だけでなく主演も兼ねて注目された最近作。90歳の老人が、メキシコの麻薬カルテルの運び屋としてがっぽり稼いでいた実話を映画化。彼の実子アリソンが娘役で出演している。 【クリント・イーストウッド】 ’30年、アメリカ生まれ。古くからハリウッドの名優として活躍し、監督業でも’93年に『許されざる者』、’05年に『ミリオンダラー・ベイビー』でアカデミー作品賞・監督賞を受賞。今も年一本ペースで映画を撮り続ける <取材・文/猿渡由紀>
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●『リチャード・ジュエル
19年/アメリカ/2時間11分 監督・製作/クリント・イーストウッド 出演/サム・ロックウェル、キャシー・ベイツほか 配給/ワーナー・ブラザース映画 全国公開中
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