仕事

若手テレビマンたちの嘆き…激務薄給、勤務シフトは「9時~33時」

真実を報じているけど…

 最後に話をうかがったのは、同じく制作会社で働く岡由美子さん(30歳・仮名)。大手民放から、今のテレビ局に異動してきて4年ほど。昨今は報道の姿勢に疑問を感じることがあるという。浮気や不倫のニュースがお茶の間を賑わすことも多いが……。 カメラマン「以前、政治家の不倫が発覚したときに、『忖度なのかな……』と思うことがありました。その政治家の過去の映像を使う際、現在の大臣などが一緒に写り込んでいる部分があったのですが、そこは使わないように上から指示がありました。もちろんその大臣と不倫は関係ない。しかし、不倫した政治家のことを大臣が応援していたので……」  大臣が写っていな部分のみで映像を編集し、放送すること自体は何の問題もないが、いまいち腑に落ちなかったという。 「あと、自分が今いる局では、最後に編集長が必ずニュース原稿に目を通します。編集長によっては、キワどい表現はバッサリ削ります。ただ、ニュース番組として言わなくてはいけないと思って書いた“キモ”の部分がなくなるので……当たり障りのない内容にしかなりません」  コンプライアンスが厳しくなり、表現の幅が狭まりつつもあるテレビ業界。なかには「普段は動画配信サービスやYouTubeを見ています」と話す人もいたが、それでもみんなテレビが好きだという。実際、斜陽業界と言われて久しいが、そんななかでも徹夜で頑張る若いテレビマンたちにはこれからも期待したい。<取材・文/星谷なな>
5歳の頃からサスペンスドラマを嗜むフリーライター。餃子大好き27歳。 たまに写真も撮ります。Twitter:@nanancypears
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