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人間ドック、現役医師200人中127人が「受けたことない」

―[健康診断の真実]―
 健康診断を会社に義務づけられ、人間ドックも定期的に受けろと言われ、保険会社のCMに不安をかきたてられ。人生100年、長生きしたいならまず検査と、何かとプレッシャーがかかる現代社会。しかし、その検査は本当に必要なのか? 今、各メディアが取り上げるこの問題を医師たちに直撃すると、意外な実態が語られた! 健康診断の真実

現役医師200人が明かす「健康診断の実態」

 会社に所属していれば、健康診断や人間ドックを半ば強制的に受けさせられる人は多い。しかし、「過度の検査は推奨しない」というのが海外の常識だとしたら? 医療経済ジャーナリストの室井一辰氏はこう解説する。 「日本の医師会では『大腸がん検診や肺がんの検診は、40歳以上なら毎年』『胃がん検診は50歳以上なら2年に1回』と推奨しています。対して海外では、検査ごとに年齢の上限を設けている。また日本と違い、具体的な症状がない人はむやみに検査を受けるなというのが基本的なスタンスです」  とうきょうスカイツリー駅前内科の金子俊之医師は「過剰な検査によるリスクは見過ごせない」と警鐘を鳴らす。 「必要のない投薬による副作用、ムダな手術がもたらす免疫力の低下だけでなく、医療ミスや院内感染といったリスクもゼロではありません。『医療行為にはメリットしかない』と思い込んでいる患者さんは多いですが、どんな検査や治療でも何らかの体へのダメージが必ず生じるというのが医学の常識。  芸人の名倉潤さんが休業した際のニュースでも有名になった『侵襲』という言葉が、そのダメージのことです。ですから、デメリットがメリットを上回る場合、“しないほうがいい検査”というのは、当然存在するのです」

<現役医師200人アンケート>

Q.健康寿命を延ばすという点で、健康診断や人間ドックは有効だと思いますか? ・とても有効 50.0% ・そこまで有効ではない 45.5% ・まったく有効ではない 4.5% Q.健康診断・人間ドックを受診する頻度はどれくらいですか? ▼健康診断 ・1年に1回以上 178人 ・2年に1回程度 5人 ・3年に1回程度 2人 ・5年に1回程度 4人 ・それ以下の頻度 1人 ・受けたことがない 10人 ▼人間ドック ・1年に1回以上 43人 ・2年に1回程度 6人 ・3年に1回程度 6人 ・5年に1回程度 18人 ・受けたことがない 127人 ※調査概要:30歳以上の現役医師200人に質問・回答を得た =====  現役医師200人に調査したアンケートでは、健康診断や人間ドックの有効性について、半数の医師が「有効ではない」と回答。さらに、6割以上の医師が「人生で一度も人間ドックを受けたことがない」というから驚きだ。 人間ドック また、新潟大学名誉教授の岡田正彦医師は「医療ビジネスが過剰診療を生み出している背景の一つ」と指摘。 「メタボ健診が導入された頃、その基準値を決めた教授たちが企業から膨大な研究費を貰っていたという事実が新聞に報道されたことがありました。つまり、投薬や精密検査が不要な人も異常とみなし、患者に仕立て上げている側面もあるのです」  医療ビジネスの闇について、医療ガバナンス研究所の上昌広氏は「特に、設備投資が先行しがちな日本では、資金回収のために患者づくりをしている医療機関がある」と明かす。実際、アンケートでも実に9割以上の医師がビジネスとして高額な検査や不要な検査を勧める医療機関の存在を認めているのだ。 【参考記事】⇒医師が考える「受けるべき・受けるべきではない」検査。バリウム検査は… 【医療経済ジャーナリスト・室井一辰氏】 東京大学卒。ムダな医療を省く「チュージング・ワイズリー」の考えを日本に広める。著書に『絶対に受けたくない無駄な医療』(日経BP)など 【医師・金子俊之氏】 とうきょうスカイツリー駅前内科院長。日本リウマチ学会専門医・指導医。著書に『医者が教える「ヤブ医者」の見分け方』(ゴマブックス)など 【医師・岡田正彦氏】 新潟大学名誉教授。医療法人専務理事かつ介護老人保健施設長。専門は、予防医療学、長寿科学。著書に『医者に聞けない検査値のホント』(大和書房)など 【医師・上 昌広氏】 特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所理事長。専門は血液・腫瘍内科学など。著書に『医療詐欺 「先端医療」と「新薬」は、まず疑うのが正しい』(講談社) <取材・文/週刊SPA!編集部 アンケート協力/パイルアップ>
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