「健康診断をサボり気味の人」のほうが長生きできる!? “正常値の維持”にメリットはない
年齢を重ねるごとに、毎年受ける健康診断で引っかかる項目が増え、それとともに今後の自分の健康に対する不安も大きくなっている人も多いのではないだろうか。
しかし、高齢者専門の精神科医である和田秀樹氏によると、「健康診断の結果と将来の健康状態がはたしてどれくらいリンクするのかについて、長期で追跡するような試みは日本ではあまり行われておらず、いわゆる「正常値」を維持することに明らかなメリットがあると判断できるエビデンスは日本にはほとんど存在しないのだ」と言う。
では、真の意味での健康を手に入れるには、具合的に何をすればいいのだろうか。和田先生流のメソッドをご紹介する。
(この記事は、和田秀樹氏の新刊『60歳からの脳と体が若返るワークブック』より一部を抜粋し、再編集しています)
「健康を維持したくて、毎年欠かさず健康診断を受けるという方も多いと思いますが、健康診断を受けようが受けまいが、実はたいして変わらないのではないかと思われるような現象はいくつもあります」と和田先生は指摘します。
たとえば従業員に健康診断を受けさせることが義務化されたのが1972年なので、今の80代の男性のかなりの部分は、若い頃から毎年健康診断を受けています。
一方同じ80代でも女性の場合は、専業主婦やパート勤めだった人が多いので、あまり健康診断は受けていません。けれども、健康診断が義務化される前より、寿命を伸ばしているのは女性のほうです。
ほかにも、大きな市民病院が廃院になり、高齢者にとっての健康診断代わりとなるこまめに病院通いができなくなった結果、がんや心臓病、脳卒中による死亡者が減り、老衰で亡くなる人だけが増えたという「夕張パラドックス」も有名です。
つまり、健康診断をせっせと受けることが必ずしもメリットになるとは限らないどころが、むしろ逆効果にある可能性さえあるのです。
和田先生は「血圧やコレステロール値などが、世の中で言われている『正常値』からは多少外れていたとしても、その値のときが一番体調がいいと感じているのなら、きっとそれがあなたにとっての『正常値』なのです」と言います。
健康というものとそういう基準で判断できるようになると、「健康のため」にやっていたことが、むしろ健康を遠ざけていたということに気づくことがあるかもしれません。
また、健康法というのはあくまでも確率論なので、大部分の人にメリットがあることでも、ある人にとってはかえってデメリットになることもあり得ます。
つまり、自分の体に何が良くて、なにが悪いのかは、自分で実際にやってみなければわからないのです。
健康診断をサボり気味の人のほうがむしろ長生きできる!?
「正常値」も「健康法」も人によって違うのが当たり前
1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。 東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、 現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。 高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。 ベストセラー『80歳の壁』(幻冬舎)、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)など著書多数。
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