更新日:2023年05月24日 14:51
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新築分譲マンションの価格高騰はいつまで? 年収300万円でも購入可能な物件は…

「下がる、下がる」といわれ続けた不動産価格は五輪イヤーを迎えてもいまだ堅調。住宅事情の先行きを読むのは難しいが、「いい買い物/悪い買い物」は確かに存在する。そんな明暗を分かつものはいったい何なのか?
[家と年収]の正解」より

※写真はイメージです。本文とは関係ありません

いまだ高騰を続ける新築分譲マンションはなぜ買われ続ける?

 新築分譲マンションの価格高騰が止まらない。特に’13年以降は急激な上昇が続き、わずか6年ほどの間にその価格は1.5倍にまで達してしまったのだ。その理由をブリンシプル住まい総研所長の上野典行氏は次のように解説する。 「新築分譲マンションがこんなにも高いのは円安が続き、材料費の価格上昇が続いていたから。近年は五輪特需で建築業界が人手不足になり、人件費が急上昇を続けました。それにより新築マンションは高騰、さらに中古マンションの価格も新築に引っぱられてジワジワと上がり続けています」  全国の不動産価格の指数(※出典/国土交通省「土地総合情報ライブラリー」)をまとめたところ、その急激な右肩上がりは一目瞭然だった。 不動産価格指数/速報値(全国:住宅)「10年前に3000万円だった物件が4500万円で売られているわけです。ただ、商品の価格が高くなれば、普通は市場全体が冷え込むものですが、昨今の不動産は例外。実際、新築分譲マンションはこれだけ値段が上がっているにもかかわらず、売れ行きはずっと好調なんです」  高くても売れ続ける不動産。その秘密は「金利」にある。 「4000万円の物件を頭金1000万円、3000万円の35年固定ローンで購入した際の月々の返済額と総返済額で説明します。今から10年前、’10年当時の標準金利2.85%の場合、月々の返済額は11万3000円で総返済額は4745万円。’16年の標準金利1.48%だと月々の返済額は9万2000円で総返済額は3846万円に。  月々の支払額で2万円以上、総返済額にすると1000万円近くも安くなっていることがわかります。物件の価格が高くなっていても、金利が低くなっている分、月々の実質的な負担はほぼ変わっていないわけです」

賢い人は時期よりも“出口”を重視して購入

[年収別]購入可能マンションマップ■[年収別]購入可能マンション ※物件価格は取材時 <年収300万円> 千葉県我孫子市 築10年 1980万円 JR常磐線天王台駅徒歩13分 3LDK(64.5㎡) 東京都八王子市 新築 1998万円 JR中央線西八王子駅徒歩14分 3LDK(55.08㎡) <年収500万円> 東京都品川区 築44年 3480万円 都営浅草線戸越駅徒歩1分 3LDK(57.12㎡) 神奈川県鎌倉市 新築 3399万円 江の島線西鎌倉駅徒歩9分 3LDK(76.21㎡) <年収700万円> 東京都世田谷区 築38年 4800万円 田園都市線ほか三軒茶屋駅徒歩1分 3LDK(80.87㎡) 東京都練馬区 新築 4298万円 東武東上線東武練馬駅徒歩14分 3LDK(68.25㎡) =====  それでは実際、年収300万~700万円のサラリーマンは首都圏近郊でどのような物件を購入できるのか? 編集部で現在のフラット35の金利をもとに無理なく返済が続けられる標準購入金額を算出。上記は年収別の標準購入金額から、編集部が独自に探した購入可能な物件だ。  物件価格は高騰しているものの、年収500万円以上あれば、まだ23区内や都心へのアクセスがいい地域でもギリギリ購入が可能なことがわかる。もっとも、新築分譲マンションは高くても売れているものの供給数は減少傾向が続いている。上野氏によれば「今はピーク時の半数に落ち着いた」とのこと。 「その理由は持ち家志向の人が減っているからにほかなりません。特にかつてはマイホーム購入を真剣に考えていた働き盛りの30~44歳の減り方がほかの世代と比べても顕著。賃貸住宅のほうが気楽に暮らせるといった人が増えているのは間違いありません」
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