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コロナ報道の最前線にいる記者たちの不安「自分の感染が発覚したら…」

記者ならではの懸念「感染が発覚して取材先が公になると…」

夜 とはいえ、記者ならではの葛藤もあるようで……。 「たとえば、仮に記者が罹患していたとして、病院や厚労省からいつどこに行ったか、誰と会っていたのかなどの尋問があるといいます。我々記者は内偵取材もあり、いつどこで誰と会っていたかなんて簡単には言えませんよ。もしも、我が社の政治部担当がいつ誰と会っていたかというのが公になった日には、議員が出席できずに国会日程に影響するどころか、国会における質問の内容にまで影響が及ぶ」(藤田さん)  藤田さんが籍を置く社では、そんな懸念が現実になっている。 「我が社の社会部担当記者が二月の下旬、発熱で休んだんです。人事部や産業医などが飛んできて、尋問を受けたそうですが、誰とどこで会ったかを逐一報告したそうです。それこそ、誰とどこどこのキャバクラに行っただの、恥ずかしいことを洗いざらいに担当の女性スタッフに話すしかなかったそうで……。彼も検査の結果シロでしたが……」  コロナ騒動に携わる報道関係者は表向き「いつか罹患してもおかしくない」としながらも、その本音は「私が一番にかかりたくはない」ということであり「罹患した経緯を全て話すのが恥ずかしいし、言うに言えない」ということに尽きるのかもしれない。  最後に、藤田さんは現在のネット社会ならではの不安も吐露する。 「マスコミで初の感染者となると、SNSやネットで叩かれることも必至。これまで散々煽っておいて、自分だけ隠れるのか。出てこい、会見しろ、などと言われ特定作業が進むでしょうし……」 <取材・文/山口準>
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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