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不倫叩き、不謹慎狩り…他人を許せない“正義中毒”を、中野信子氏が斬る

ネット社会は確証バイアスを増長させる

 SNSでは似たもの同士でつながることが多く、自分と同じような思考をするグループから、自分が欲している情報だけを取り入れ、受け取るようになる。日々それを繰り返しているといつのまにか、自分は正しい、自分の主張こそが正義だ、これが世の中の真実だと考えるように仕向けられてしまう。この現象を確証バイアスという。 SNSでつながる インターネットの世界でのビジネスとは単純化すれば、広告媒体としてネットユーザーたちにいかに「クリックしてもらうか」である。そのために個々の検索の傾向を収集し、それに合わせて関心のありそうな情報や広告を提供する。ユーザー本人としては、毎日ネットの世界と接し、新しい情報を補給しているつもりが、しばしば自分の嗜好をもとに構成された、自分好みの偏った情報が示されているだけになってしまうのだ。  私たちがネットで新しい知識を得た、新しいニュースを知った、と思っていても、実はそれはフィルターにかけられた情報ばかりで、自分の世界は非常に限定的であるかもしれないということを、意識する必要があるだろう。

「なぜ、許せないのか?」を客観的に考える

 まずは、自分が正義中毒状態になってしまっているのかどうかを、自分自身で把握できるようになることがとても重要だ。「このテレビ番組は馬鹿ばかしい」「○○党は許せない」「最近の若い連中はなっていない」などといった怒りの感情が湧いたときは、その感情を増幅させてしまう前にひと呼吸置いて、「自分は今、中毒症状が強くなっているな」と判断するようにする。  どんなときに「許せない!」と思ってしまうのかが自身で認識できるようになれば、自分を客観視して正義中毒を抑制することができるようになる。
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ネットで知的偏食を防ぐ方法
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