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寝台特急「サンライズエクスプレス」に乗ってみた。1週間前にチケットはほぼ完売?

 1993年以降、夜行列車の廃止が続いた影響で、今や定期夜行列車は東京―高松間の寝台特急〈サンライズ瀬戸〉、東京―出雲市間の寝台特急〈サンライズ出雲〉のみ。現在も堅調な乗車率を誇っており、当面は安泰と見ていいだろう。久しぶりに寝台車の旅を味わってみることにしよう。

23年目を迎えた285系サンライズエクスプレス

朝の回送列車が高松を発車

朝の回送列車が高松を発車

 寝台特急〈サンライズ瀬戸〉〈サンライズ出雲〉に充当される285系サンライズエクスプレスは、JR西日本とJR東海が共同開発した寝台電車で、1998年に登場。寝台車はB寝台個室シングルを中心に、ソロ、シングルツイン、サンライズツイン、A寝台個室シングルDXで構成されている。錠はテンキー方式で、寝台から出る際、4ケタの暗証番号と#をプッシュすると閉まる。くれぐれも部屋番号と暗証番号忘失に御注意いただきたい。
かつての2段式B寝台よりも快適に過ごせるノビノビ座席

かつての2段式B寝台よりも快適に過ごせるノビノビ座席

 また、座席車として指定席ノビノビ座席が用意されており、寝台料金不要でヨコになれることから人気が高い。  寝台、ノビノビ座席とも紙コップが用意されているほか、寝台はすべてコンセント、アラーム内蔵のオーディオパネルがつく。また、シングルDXの乗客に限り、無料でシャワールームを利用できる。車内改札の際、シャワーカードを配布されるほか、個室内にタオル、歯ブラシなどが入ったアメニティーグッズが用意されている。  それ以外の乗客は3・10号車のシャワーカード券売機でシャワーカード(330円、先着順)を購入すれば利用できる。ただし、アメニティーグッズは販売されていないので、タオルも事前の用意が必要だ。

発車約30分前に入線

寝台特急〈サンライズ瀬戸〉は日によって、下りのみ高松―琴平間延長運転されることも

寝台特急〈サンライズ瀬戸〉は日によって、下りのみ高松―琴平間延長運転されることも

 今回乗車するのは寝台特急〈サンライズ瀬戸〉東京行き。JR四国予讃線の高松を21時26分に発車し、JR西日本、JR東海、JR東日本を経て、終点東京には翌日7時08分に到着する。  乗車1週間前にみどりの窓口できっぷを申し込むと、空いているのはソロのみ。それも残りわずか。需要の高さを表している。  21時頃に高松9番のりばへ向かうと、すでに寝台特急〈サンライズ瀬戸〉東京行きが入線していた。乗車するソロは平屋の車両で、上段個室と下段個室に分かれる。
ソロは窮屈ながら寝る分には問題なく過ごせる(写真は下段)

ソロは窮屈ながら寝る分には問題なく過ごせる(写真は下段)

 入ってみると、以前利用したシングルに比べ狭く、テレワークや弁当などの食事もムリだ。加えて、中型のキャリーバッグがかろうじて収まるほど。大型の荷物だとベッドに置くしかなさそう。将来、285系サンライズエクスプレスの後継車を開発するのなら、大型荷物が容易に置けるよう、個室のスペースを広げてほしいところ。これに伴う定員減少はやむを得ない。  しばらくすると、車掌がノックをして車内改札。寝台はすべて個室ドアが開いた状態にセットされており、閉まっていたら乗客がいることを暗に示す。

岡山で寝台特急〈サンライズ出雲〉東京行きと併合

 寝台特急〈サンライズ瀬戸〉東京行きは、定刻通り21時26分に発車。鉄道車両なので、音漏れ防止の配慮が必要ながら、個室内はケータイ通話ができるし、イヤホンなしで音楽プレーヤーも聴ける。オーディオパネルはNHKのFMラジオが聴けるものの、ソロのみイヤホンが必要である。
ミニサロン

ミニサロン

 坂出を発車すると、瀬戸大橋へ。ミニサロンで車窓を眺める。寝台車は片側しか眺められないが、ミニサロンは思う存分楽しめる。漆黒の空と海、明かりを灯す船が夜行列車としての旅情をかきたてる。  本州へ入り、22時23分、岡山4番のりばに到着。ホームはレールファンが始まり、“儀式”を待つ。しばらくすると、出雲市からの寝台特急〈サンライズ出雲〉東京行きも姿を現し、寝台特急〈サンライズ瀬戸〉東京行きに併合。この作業に作業員やレールファンらが固唾をのむ。 6.寝台特急〈サンライズ瀬戸〉東京行き編成表 ここから1つの列車として、東京へ向かう。
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シャワールーム、お湯が出る時間は?
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