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緊急事態宣言で再燃する「名古屋飛ばし」。ジャニーズのコンサートも…

その5 人気アニメの第2シリーズが放送されない悲劇


 芸術&文化面といえば、今や日本が世界に誇る“ジャパニーズ・アニメ”でも名古屋飛ばしが行われていた。特に深夜アニメが顕著で『ご注文はうさぎですか?』や『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』のように第1シーズンが放送されたのに第2シーズンが放送されなかった……というようなこともしばしばだ。それどころか『ワンパンマン』や『グリザイアの果実』のように第1シリーズすら放送されていない作品があるのだ。  実は東京の深夜アニメ放送が充実しているのは東京MXテレビの存在が大きいのだが、この東京MXで放送される作品を在名局でカバー出来ていないという現状がある。独立局がないからだ。これはアニメに限ったことではなく、関西ならサンテレビやKBS京都が東京MX発の番組をカバーしているが、そのような局が東海地方にはない。悲劇を生んでいる要因の一つといえる。

その6 あのジャニーズグループも名古屋飛ばしを

 ジャニーズ事務所在籍グループが’18年から’19年にかけてどの程度名古屋でコンサートを開催しているのか。すると嵐を筆頭にドームツアーを行う関ジャニ∞、Kis-My-Ft2、Hey! Say! JUMPは名古屋公演があったが、NEWSとSexy Zoneは名古屋公演がなかった。  この2グループが東海地方で公演する際に使用するのは静岡県袋井市にある静岡エコパアリーナ。実はナゴヤドーム以外に名古屋周辺で最大級のアリーナ会場となっている日本ガイシホール(収容人数約1万人)が’19年1月から’20年7月まで改修中で使用出来ないことも関係している。 コンサート 日本ガイシホール以外で探すとなると収容人数約7500人のドルフィンズマリーナ(愛知県体育館)のみだ。これはジャニーズグループに限った話ではないが、日本ガイシホールの長期休館が明けるまで名古屋におけるアーティストのコンサートはほぼ絶望的かもしれない。

その7 歴史の教科書にも登場する!? 元祖・名古屋飛ばし

 これはもう江戸時代の出来事なので、“名古屋飛ばし”ならぬ“尾張飛ばし”のお話。日本史の教科書に出てくる“徳川御三家”という用語をご存知だろうか。これは江戸時代における徳川氏のうち徳川将軍家に次ぐ地位を持っていた尾張、紀州、水戸という三家のことで、将軍家の後継ぎが絶えた場合にこの三家の中から後継者が出されることになっていた。そしてこの御三家からは紀州から8代将軍吉宗と14代将軍家茂が、水戸からは15代将軍慶喜が輩出されているのだが、なんと石高が一番多いのにもかかわらず、尾張からは1人も将軍が出ていないのだ。  4代藩主徳川吉通が6代将軍家宣の後継ぎになりかけたが、当時の幕政を取り仕切っていた新井白石らの反対にあい、頓挫。このチャンスを逃して以後、紀州家が将軍家の血筋の主流となったため、尾張家から将軍を出すことが出来なかったのだった。  以上が“名古屋飛ばし”の7例、そして番外編を。名古屋とはかなりゆかりのある、あの有名人のお別れの会もこの地では開かれていなかった。その人物とは“闘将”“燃える男”としてお馴染みの星野仙一さん。お別れの会は東京と大阪の2カ所で行われたのだが、東京会場は東北楽天が、そして大阪会場は阪神が発起人となっていた。  だが、星野さんといえばもともとは中日ドラゴンズのエースで、現役引退後は2度に渡ってチームを率いている功労者。なのになんで……と当時落胆した中日ファンは少なくない。<取材・文/上杉純也>
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