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SNSで話題のフィギュアは3Dプリンターで作られた? 作者の造形師を直撃

 4月上旬、とあるマッコウクジラのフィギュアの写真がTwitter上で注目を浴びた。透明なボディからは骨格が透けて見え、その神秘的なデザインは1万8千以上のリツイートを集めたが、実はこのフィギュア、3Dプリンターの一発出しで作られたというのだから驚きだ。
吉本アートファクトリー

写真は、吉本アートファクトリー(@y_a_f1226)のTwitterより

 作者は、吉本アートファクトリー代表の吉本大輝さん(@y_a_f1226)。『玉骨標本』(ぎょくこつひょうほん)と名付けられたこの作品は、どうやって作られたのか。

3Dプリンターなら、データさえ作れば二層構造のデザインも簡単に出力できる

葛飾北斎八方睨み鳳凰3D

吉本さんの過去作品『葛飾北斎八方睨み鳳凰3D』。今にも動き出しそうな迫力だ(写真は吉本さん提供)

 もともとは芸術大学で油絵を専攻していたという吉本さんだが、粘土での造形に目覚めたことから、現在は“フィギュア造形師”と呼ばれる仕事をしている。フィギュア以外にも3DCAD設計、映像用の3DCGモデル、AR用3Dモデル作成……など、“3D”と名のつくものには片っ端から手を出しているらしい。  先述した『玉骨標本』について、吉本さんは次のように語る。 「この作品のテーマは“骨格と外観の差異”です。マッコウクジラの特徴でもある大きな頭には、驚くほど骨がないのですが、小さな骨の標本だけ見ても気づきにくいですよね。でもこのモデルだと、骨格と外観を一目で見ることができるので、身体の大きさと比較したときに骨がいかに小さいかわかるうえ、『じゃあ何が入ってるんだろう?』と、新しい好奇心が生まれうる。そこが面白いところだと思っています」(吉本さん、以下同)  確かにこの小さな骨からは、マッコウクジラのように大きな身体は連想できないだろう。その逆も然りだ。では、気になる制作の流れは? 「『玉骨標本』の場合は少し特殊で、ミマキエンジニアリングさんの『3DUJ-553』というフルカラー3Dプリンターを使いました。『ZBrush』という3Dモデリングソフトでモデルを作成し、ソフト上でモデルに色をつけてフルカラー3Dプリンターデータを入れれば、そのまま色がついたモデルが出てくる……という感じです。最先端のフルカラー3Dプリンターは、データさえ作れれば簡単に出力できますからね。  また、透明のアクリル樹脂と不透明のアクリル樹脂を同時に出力できるので、骨を透明のボディに閉じ込めるような表現もできます。この技術は、医療現場や研究現場でも活用されているんですよ」 『玉骨標本』のような二層構造になっているデザインも、プリンターに事前に指示を出しておけば、ポチっと出力できるようだ。透明のアクリルも一緒に出力できるからこそ、こうした幻想的なデザインも実現可能なのである。
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いずれはデータで世界中どこでも出力可能に?
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