ずーっとタダで遊べちゃう『クラロワ』『PUBG』の魅力
スマートフォンゲームアプリ
『クラッシュ・ロワイヤル』(通称クラロワ)と
『PUBG』(プレイヤーズ・アンノウン・バトル・グラウンド)がこの春で、それぞれリリース4周年、2周年を迎えた。私はどちらもリリースされてすぐプレイしているので丸々4年間&2年間遊んでいる。しかも、
一度も課金したことがない。大人になって、ただで何年も毎日遊び続けるって夢のようじゃね?
『PUBG』2周年記念で全身ケーキの衣装で決めた私。もちろんこれもタダでゲットした
スマホを使いだして以来ゲームアプリは常にチェックしているが、これほど長く遊んでいるゲームは他にないので、この2つは出色の出来栄えと言って間違いないと思う。どちらも、まあ良くできている。
『クラロワ』はいわば“生きたチェス”だ。バトルフィールドに、例えば「騎士」のカードを置くとその場所に「騎士」が実現し、自動で敵陣に進軍し、敵に接近すれば戦闘する。先に敵陣の塔を落とした方が勝ち。決着は数分で着く。過去に類似したものが無い、全く新しいゲームだ。
現在カードは98種類。アップデートされて増え続けている。カードにはレベルがあり、勝つためにはレベルアップが必須。そのためにはゲームに勝利して得たゲーム内の通貨(ゴールド)が必要なのだが、大抵の人は課金してレベルアップしている。私は元来セコいのと、
「カネを出した方が強い」というのがゲームとしてなんだか納得できず、いまだに無課金を貫いている。無課金でも充分対等に遊べる。
eSportsとして多額の賞金がかけられた大会が世界中で開催されていて、攻略法を解説する日本人の有名YouTuberも多数おり、ゲームの完成度を象徴している。頭脳戦のため、負けるとやたらに悔しくて何度スマホを投げつけたがわからない。奥の深さは歴代コンピューターゲームの中でも屈指と言っていい。eSportsでは同条件のレベルで戦うのだが、数年前に
「無課金」をポリシーにしているプレイヤーが日本一になった。
『PUBG』は飛行機からパラシュートで島に向かって飛び降り、島中に落ちているマシンガンなどの武器を拾って、100人の中から最後の生き残りを目指して戦う。リアルなバーチャル空間で、アバターが自由に動き回る、現在のコンピューターの能力を最大限活かした種類のゲームだ。
最後の生き残りを目指すこの種のゲームは
「Battle royale game」と呼ばれ、ゲームジャンルを指す世界語となっている。もちろん 高見広春の小説『バトル・ロワイアル』が語源だ。この作品は、ハリウッド映画『ハンガー・ゲーム』の元ネタにもなっており、日本の娯楽小説でこれほど世界のサブカルチャーに影響を及ぼした作品は他にない。
『PUBG』はボイスチャットができる。これが笑える。4人1組のチーム戦は、ランダムに選ばれた世界中の人と共に戦う。そのチーム内でボイスチャットをする。ベトナム人はよく家族全員で観戦しているらしく、大人数の歓声が聞こえてくる。関西在住のヤンママのチームに紛れ込んでしまった時は、ギャーギャー騒ぐ子供たちを、ママたちが、どぎつい関西弁で叱りながらプレイしていた。意外なことにママたちのゲームプレイはめちゃくちゃ上手くて、ゴルゴ13ばりに、
敵の頭を長距離狙撃で見事に射抜く。カッケー!
最後まで生き残ると30分あまりプレイすることになる。最後の数人まで残った時の緊張感と最後の生き残り《終焉者》になった時の興奮は何度やってもたまらない。と、いってもその栄誉は年に数度しかない。
『PUBG』は
課金と強さはまったく関係ない。カネを払う理由はただ「おしゃれ」するためだけだ。例えば「全身パンダの着ぐるみ」とか「ウォーキング・デッドのダリルのアバター」とかが、ガチャで売り出される。「よくこんなんで商売になるな」と思うが、「全身パンダ」のプレイヤーにチャットで「いくらかかった?」と訊ねたら、口ごもりながら「2万円くらい……」と言うので、腰が抜けた。お前、現実の服買ったほうがいいよ!