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「プロ野球、今年はバーチャルでやるしかない」G.G.佐藤が提言

変則的なやり方で盛り上がるのかは疑問

   NPBは4月23日に「開幕から当面は無観客試合で開催」という方針を打ち出した。これにはG.G.佐藤氏も困惑の表情を見せた。 「パ・リーグ出身の僕らからすれば、平日の試合なんてガラガラの時もけっこうあって(笑)、選手たちのモチベーションが下がっていたのを覚えています。それが観客ゼロになれば、当然もっと下がります。お客さんのほうだって、『球場で応援するのがいちばん楽しい』という人も多いでしょう。『無観客でもいいから試合が見たい』という声も上がってきてはいますが、やはり観客席にいっぱいお客さんが入ってこそのプロ野球ですからね」  またNPBが試合数の削減も検討しているという点については、こう持論を述べた。 「試合数を90試合に減らしたり、1試合を7回までにしてダブルヘッダーにしたりなんて話もあるみたいですが、盛り上がるのかは疑問です。いっそ、今年の記録はナシでもいいんじゃないでしょうか。それで、セ・パ関係なく東西に分けてやるとか。もしくはサッカーの天皇杯みたいに、同じく中止や延期になってしまった高校生・大学生・社会人・BCリーグも全部いれて、トーナメントで日本一決定戦みたいなのがあってもおもしろそうですけどね」

バーチャル野球ゲームでペナントレースもアリかも?

G.G.佐藤氏3

仕事場でのG.G.佐藤氏。引退後、保育士や宅建の資格も取得したという

 3月下旬から4月上旬にかけて、NPBはゲーム会社のコナミと協賛し「プロ野球“バーチャル”プロ野球開幕戦2020」を開催。eベースボールプレイヤーたちにより、実際行われるはずだった開幕対戦カードをオンライン上で実現した。G.G.佐藤氏は、この「“バーチャル”開幕戦」の解説者をつとめたという。 「コナミの本社スタジオにいって解説させていただきました。バーチャルの世界では、佐々木朗希投手が投げたりして、なかなかおもしろい対戦を見られましたね。企画としては、こういうのもアリなんじゃないかと」  実戦が開催できなくなった各スポーツ界では、“バーチャルスポーツの波”が押し寄せてきているようだ。  例えば、日本プロバスケットボール「Bリーグ」は今シーズンの中止を発表した。そんな状況の中で4月9日、NBAのウィザーズに所属する八村塁選手がeスポーツ大会「NBA 2K プレイヤー・トーナメント」にプレイヤーとして出場。明るい話題を提供した。  またサッカーの世界でも、eスポーツ国際大会の「StayAndPlay eFriendlies」に岡崎慎司選手が出場してゴールを決めるなどの大活躍を見せた。 「プロ野球の中止が決定したら、もう選手たち本人にバーチャルでプレーさせましょうよ。坂本勇人選手(巨人)らが、自分のキャラを使って野球ゲームで対戦するんです。本物の試合ができない以上、バーチャルでペナントレースをやるのもいいんじゃないですか? そうしたら、謎の2軍選手がいきなり大活躍したりして。『おまえ、超ゲーマーだったのかよ』ってくらい意外な才能を発揮したり、ゴールデングラブ賞を獲っちゃったりとかね(笑)。バーチャルなら世界各国と戦えますからね。WBCみたいな国際大会だってできますよ」  G.G.佐藤氏は、今シーズンのプロ野球開幕への望みは持ちつつも、「プロ野球が見せる感動は、安心があってこそのもの。健康の上に娯楽があるんです。それが確保されないまま見切り発車してはいけないと思います」と、あくまで元プロ野球選手としての姿勢を崩さなかった。 【G.G.佐藤氏】 本名・佐藤隆彦。西武ライオンズや千葉ロッテマリーンズで外野手として活躍。プロ野球引退後は、千葉県市川市にある建築設計会社のトラバース社にて営業マネジャーをつとめている 文/櫻井れき
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