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東京じゃないのに「東京〇〇」は千葉や茨城だけ?埼玉や神奈川は…東京茨城国際空港問題

 茨城県小美玉市にある茨城空港の名称に、今後「東京」の文字が加わることになりそうだ。正確には、国内向けは「茨城空港」の愛称のままで、海外向けのみ「Tokyo Ibaraki International Airport」を、新名称の最終候補案とするという。  これに対し、一般人からのパブリックコメントでは、「東京と茨城は隣接していない」「誤解を招く」など批判的な意見も少なくなかったという。実際にこの名称が決定し、空港ビル等に新たにその名の表記がされるようになったら、「ここがTokyoかよ!」等、さまざまな否定的意見がSNS上で踊るだろう。

開港当時の茨城空港

 思えば、東京都外で東京の名を冠する大きな施設が存在する県は、千葉だけだ。千葉にはかつて新東京国際空港(2004年まで。現在は成田国際空港が正式名称)があり、現在も東京ディズニーランドがある。マイナーなところでは、東京ドイツ村(袖ヶ浦市)という施設もある。東京湾アクアラインにある海ほたるPAは千葉県だが、それを知っている人も多くない。

横浜ナンバーは品川ナンバーより格上!

 一方、神奈川県にはめぼしい「東京」はない。神奈川県民はプライドが高く、「横浜ナンバーは品川ナンバーより格上」と思っているし、かなりの内陸まで湘南ナンバーだったり、県内のブランド地名を拡大解釈する傾向はあるが、東京の名前は決して使わない。

神奈川生まれの知り合いが埼玉に住んでいるとき、クルマを買う際は実家の住所で登録し、横浜ナンバーに必ずしていると言ってました(日刊SPA!編集)

 埼玉はどうかというと、これも意外なほど東京を名乗っていない。東京へ通勤する埼玉都民は多数いて、東京の植民地とも言われるが、県内には練馬区の飛び地(本物の東京都)と、「東京ゴルフ倶楽部」という名門ゴルフ場があるくらいである。  茨城県をはじめとする北関東にも、東京を名乗るメジャーな施設はない。さすがに北関東で東京はないだろうというのが、首都圏の住人の感覚で、茨城空港に“Tokyo”の文字が付くと聞けば、「え~っ!?」となるのは当然だ。  その茨城空港、実際にどんなところにあるかというと、「すさまじい田舎」である。

Tokyo感のカケラもない茨城空港周辺

 茨城空港は、もともとは航空自衛隊百里基地で、それを10年前、自衛隊と民間との共用空港にした施設。

ファントム見物が茨城空港のウリでした

「このままでは羽田と成田の発着枠が足りなくなって、アジアのハブ空港の地位から転落する!」という危機感が強かった約25年前には、首都圏第三空港の有力候補として注目され、10年前に共用空港化が実現したが、鉄道駅や高速道路から遠く、百里基地時代から自衛官たちは、「陸の孤島」と自嘲していた。ジェット戦闘機の騒音がそれほど問題にならないくらいの、ウルトラスーパー田舎なのである。

ターミナルの展望台から向こう側に見えるのが航空自衛隊の建物

 空港の開港に合わせて、東関東道の支線(水戸線)に茨城空港北インターが開設されたが、東京方面からは遠回りになり、常磐道の千代田石岡インターか、石岡小美玉スマートインターが最寄り。昼間だと、インターを降りてクルマで30分以上かかる。  実際に千代田石岡インターから空港へ向かうと、なんとも“イバラキ”な風景が広がっている。なかでも国道6号線わきにあるファッションヘルス「リッチマン」の看板は、心をくすぐらずにはおかない。 「リッチマン」を過ぎて国道を右折すると、ラーメンやトンカツ、回転すしなどの郊外型レストランが続々と現れては消え、それを過ぎると、ひたすらの田園風景。  そののどかな景色は、茨城空港周辺でピークに達し、「ここは十勝平野か?」と錯覚するほどだ。関東平野って、実はこんなに雄大なんだねえ……。そんなところに「Tokyo」が現れれば、誰だって突っ込まずにはいられない。

空港周辺には、のどかな景色が広がっています

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