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マイナンバーカードは紛失しても大丈夫? 番号が他人に知れたら…

 マイナンバーカードの普及は、政府にとっての至上命題とも言える。その至上命題が、図らずも新型コロナウイルスの世界的流行で実現に大きく近づいた。仮に国民の大半がマイナンバーカードを所持するようになったら、今度はそれを常時携帯しているか否かが議論の対象になっていくだろう。すなわち、マイナンバーカードは運転免許証のような「すぐに取り出せるもの」になるべきか……という議論だ。
マイナンバーカード

※画像はイメージです

 その賛否はともかく、ここでは「もしも国民がマイナンバーカードを携帯するようになったら」という想定で話を進めていきたい。そうなった場合、怖いのはカードの紛失である。誰かに盗まれたら最後、個人情報が漏洩してしまうのではないか?

ICチップに「重要な個人情報」はない?

政府公報オンライン

画像は、政府公報オンラインのホームページより(以下同)

 マイナンバーカードの紛失は、やはり怖い。このカードにはICチップが内蔵されている。チップには納税や年金、健康保険等の極めて重要な情報が収められている……と思われがちだが、実はチップ自体にそれらの情報はない。ひと言で言えば、チップは「鍵」である。  重要な情報は複数のサーバーに分散管理されていて、その時必要な情報だけをその都度取り出すという仕組みだ。さらに、オンラインでのカード利用にはパスワードが求められる。これが大きな壁となって悪用を目論む者に立ちはだかる。  このあたりは、政府広報も回答している。柴田理恵と鈴木福を起用した動画CMで「ICチップにプライバシー性の高い情報は記録されていない」ということをPRした。また、紛失時の電話対応窓口は年中無休という点も紹介している。 政府公報オンライン マイナンバーカードには氏名や現住所が記載されているから、例えばストーカーにそれを盗まれたら一大事だ。が、その事態は運転免許証でも起こり得る。マイナンバーカードを紛失した(或いは盗まれた)からこそ、この情報が漏洩してしまう……というのは、裏面に記載のマイナンバー以外には見当たらない。  そのマイナンバーも、ただ数字を知っているだけでは公的利用はできない。カードに転写されている顔写真と本人を照合する段階があるから、悪用目的のなりすましは困難と判断するべきだろう。
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マイナンバーカードを紛失してはいけないワケ
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ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー

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