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「タイムラインの王子様」カツセマサヒコが小説家になった理由

つぶやきは小説で必殺技的に使う

――なるほど。最近のSNSは誹謗中傷が問題になっていますが、カツセさんの考えは? カツセ:僕はずっと「SNSには社会を変える力はない」と言っていましたが、ここ数年で状況が変わってきていると思います。「保育園落ちた日本死ね」が流行語大賞を獲ったあたりから、政治にさえ影響を与え始めた。喜ばしいことだと思う半面、他者を攻撃できる武器になるのは怖い。  ここ最近は、僕に対しても攻撃的なリプライが増えました。例えば多くの人が声を上げているニュースがあると「カツセさんは何も言わないんですか?」と聞かれるし、言及したら今度は「それは違う!」「この偽善者が!」と言われたり。正直、たまにSNSをやめたいと思うこともあります。でも、僕の活動に使える部分はまだまだありますから。 ――今作『明け方の若者たち』も、ツイッター的なアプローチを意識しましたか? カツセ:初稿の段階では、140文字のつぶやきが何万個も! という状態で、めちゃくちゃクドかったんですよ。だからツイッター的な文章は意図的に減らすようにしました。140字で完結させる文章と10万字の小説は使う筋肉が全然違う。「ココぞ!」という場面で140文字を使う感じですね。 ※6/16発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです 【Masahiko Katsuse】 ’86年、東京都生まれ。大学を卒業後、大手印刷会社に勤務。趣味で書いていたブログをきっかけに編集プロダクションに転職し、恋愛や男女間の妄想をツイッターでつぶやき話題に。’17年4月に独立し、ウェブライター、編集者としても活動中 取材・文/吉川ばんび 撮影/尾藤能暢
1991年生まれ。フリーライター・コラムニスト。貧困や機能不全家族、ブラック企業、社会問題などについて、自らの体験をもとに取材・執筆。文春オンライン、東洋経済オンラインなどで連載中。著書に『年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声』 twitter:@bambi_yoshikawa

年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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