簡単に体重が減ったことに気をよくした僕は、毎日体重計に乗るのが楽しみになった。そうして体重が減った減らないで一喜一憂する日々を過ごし、ダイエット生活も10日に差し掛かろうとした頃から、徐々に体に異変が起き始めた。異様な倦怠感が身体を襲う。インターネットで調べると、糖質制限の関連キーワードにも「危険」などと出てくる。怖くなった僕はすぐに本を読み返した。すると、重大な過ちを犯していたことに気付いた。 「エネルギーの代謝に必要なビタミン、ミネラルがひとつでも欠けたら、いくら食事に気を使って断糖しても効果は途絶えてしまう」 　断糖高脂質ダイエットは、ただ糖を抜いて脂質を摂ればいいわけではないというのだ。ビタミンB群、ビタミンC、ナイアシン、鉄、マグネシウム、オメガ3など、不足しがちな栄養素はサプリで別途補給しなければかえって危険なんだとか。 　特に喫煙者はビタミンCが著しく欠如してしまうという。ただでさえラーメンやお好み焼きをおかずにご飯が食べられるくらい大好きな白米を我慢しているのに、禁煙まではできない……。すぐに、ビタミンCを摂取できるサプリを購入することにした。金森氏のおすすめは、「ナウフーズ」というアメリカ産のもの。届いたカプセルはまっ黄色でどでかい。普段サプリなどとは無縁の僕は、「アメリカ感がすごいな」と身体のだるさを忘れて笑った。 　そんなこんながあって、もうすぐ20日が経つ。結論から言うと、2週間で6㎏の減量に成功。体重は67kgにまで落ちた。心なしか身体も軽くなったように感じる。ビタミンを補給したことが奏功してか、道中悩まされた倦怠感も多少は収まってきた。結局食材を買い足すこともなく、お財布までダイエットしてしまうことはなかった。糖質を抜いていると、あれだけ好きだった白米やラーメンも不思議と食べたいと思わなくなった。 　やってみてハッキリわかったことは、金森さんが提唱する断糖高脂質ダイエットの威力はすさまじく、たしかにガチ速で痩せるということ。「ガチ速“脂”ダイエット」なるタイトルも納得だ。 　もうすぐ夏。ひとまず大学時代の体重である63㎏を目標に、もうひと踏ん張りしてみようと思う。 取材・文／桜井カズキ　撮影／湯浅立志