学歴ロンダリングの果てに待っていたのはニート生活

【東大大学院】 学歴ロンダリングの果てに待っていたのはニート生活 超名門校、開成中学に合格し、その後1浪して地方の旧帝大理系学部に進学した山中俊和さん(仮名・30歳)。その先は「今どき理系なら修士課程くらい卒業してて当たり前という風潮があった」と言い、当然のように大学院進学を志望した。目指したのは、天下の東大大学院だった。 「新しい研究室で競争倍率も高くなく、これはチャンスだと。大学の中では東大が最高峰ですが、実は大学院では東大が一番難しいというわけでもないんです。でも、世間から見たら『開成卒業後、東大大学院修了』になりますからね」  最終学歴を東大にする、いわゆる”学歴ロンダリング”に見事成功。しかし、それが思いもよらない仇となってしまう。 「地方から東京に戻ってきましたが、周りに知り合いがいなくて、就活の情報がまったく入ってこない。先輩はドクターに進む人ばっかりだし、教授も『学校に来ないと卒業させない』と脅す。結局20社ほど不採用になったところで、一旦就活を諦めざるをえませんでした」  なんとか卒業はできたものの、学歴ロンダリングの末が、塾講師のバイトをしながらの半ニート生活。ダラダラと3年半を過ごしたが、’08年のリーマンショックでさすがに危機感を覚えて、昨年、年収300万円のSEとして就職。 「社長が学歴マニアだったんで、ウケがよかったんです。ただ、漢字すらまともに書けない高卒の上司に毎日怒られて、『今までの俺って何だったんだろう?』って悲しくなりますよ。それでも、一方でなんとかなるとも思ってる。『だって俺、東大出てるし』という漠然とした自信はあるんですよね」  学歴だけがよりどころの山中さんは、人の肩書も、まず一番に学歴に目がいってしまうという。 ― 学歴大論争 [日本型エリート教育]の大間違い!【3】 ―
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