更新日:2020年10月12日 17:31
仕事

“コロナ氷河期”は本当にくる? 冬のボーナスなし、中小企業の倒産ラッシュ…

仮説② 倒産1万件、休廃業5万件、中小企業に倒産ラッシュ

コロナ氷河期の衝撃

中小企業経営者の高齢化・廃業で2025年までに650万人の雇用が失われると指摘されていた時限爆弾が、コロナ禍で一気に爆発する/出典:総務省統計局「個人企業経済調査」

 約600万人に上る休業者は、そもそも会社がなくなってしまえば否応なしに失業者となる。前出の前川氏は、「今年の倒産件数は1万件を超える可能性が高い」と語る。 「帝国データバンクが4月に発表した全国企業倒産件数は758件。これは、昨年の651件を16.4%も上回っています。このペースで倒産件数が増え続けていけば、今年は、昨年の8354件を大幅に上回ることは確実です」  しかも、今後増えていくのは、倒産件数だけではない。中小企業を中心に、倒産する前に商売をやめる「休廃業・解散」の選択をする企業が増え続けているという。 「東京商工リサーチの推計では、今年の休廃業・解散は5万件に上るとのこと。その大きな要因は、経営者のモチベーションが下がっていることにあります。  自粛解除で客足が戻ると期待して耐え忍んだのに、まったく客足が戻ってこない現状は、経営的にも精神的にも厳しい。特に中小企業の場合は、経営者の高齢化が進んでおり『後継者もいないし、負債を抱えるよりやめるほうがマシ』と考える人が後を絶ちません。  現在、申請処理が追いついていないことを考えても、実際の倒産や休廃業・解散件数は表に出ている数値よりもはるかに高いでしょう」  日本の雇用の約7割を占めるといわれる中小企業の危機は日本経済全体に波及すること必至だ。
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国内消費の瞬間冷凍で、スーパーインフレに突入
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終わりなき凍りついた世界を生き抜くために
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