タクシードライバーが恐怖する“魔のエリア”。銀座で無造作に客を拾うと…
どのタクシードライバーにも得意な場所、不得意な場所があるが、都内を運転する以上、やはり避けては通れない場所が、銀座と歌舞伎町。行きたくなくとも必ずつれていかれる、都内でも一番といっていいほどの稼ぎ場所だが、そんな街に尻込みするドライバーがいるのも事実である。
銀座は激戦区ではあるが、客単価もよく稼ぎ場であるのになぜ尻込みするのか?と思うかもしれない。ご存知の方もいるかもしれないが、夜の銀座にはタクシーにしかないルールがある。それが、銀座の“乗禁”地区。
乗禁とは何? といえば乗車禁止の略である。
平日(月~金)の22時~25時(1時)までの間、銀座5丁目~8丁目では指定乗り場以外では乗客を乗せることはできないというルールである。たとえ乗り場以外で乗客の申し入れを断っても乗車拒否にはならない。
たまに乗車拒否されたと文句を言う客もいるが、万が一乗せたら大変だ。タクシーセンターという東京のタクシー業界を統括する協会団体が違反者がいないかと常に目を光らせている。
よく乗禁時間に銀座までの乗客を降ろすと銀座のルールを知ってか知らずか(乗り場まで行くのや並ぶのが面倒臭いという確信犯的な人もいる)同時に乗客が滑り込むように入ってくる事があるが、ここでドアを閉めたらアウト! 乗客を乗せたとみなされタクシーセンターの係員が一斉に駆け寄り囲まれて御用となる。
側から見れば、その光景は摘発を受けた犯罪者そのものだ。乗禁違反を起こしたらペナルティーが課せられ、違反点数がたまると個人だけではなく、会社自体が乗禁時の銀座での営業ができなくなる。そういうこともあり、新人にはイの一番に銀座のルールを徹底的に叩き込む。また万が一違反を犯し、同僚に後ろ指刺される思いをしたくないドライバーは尻込みをしてしまう。
稼げる場所の意外な落とし穴
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物流ライター。ライター業の傍らタクシードライバーとして東京23区内を走り回り、さまざまな人との出会いの中から、世の中の動向や世間のつぶやきなど情報収集し発信する。また、最大手宅配会社に長年宅配ドライバーとして勤務した経験とネットワークを活かし、大手経済誌のWEB版などで宅配関連の記事も執筆する。タクシー・宅配業界の現場視点から、「物」・「人」・「運ぶ」・「届ける」をそれぞれハード(荷物・人)だけではなく、ソフト(心と気持ち)の面を中心に記事を執筆中。ブログ「吾は巷のインタビュアー!」
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