10代に人気、GPSで友達の現在位置がわかるアプリZenlyの危険性
我々現代人は、常にGPSと共にある。Google Mapを開くと、自分が今いる位置を確認することができる。この位置情報の精度は、文字通り日進月歩の勢いで進化している。自分が世界のどこを歩いているのか、一目で把握することが可能だ。
そんななか、10代などのデジタルネイティブ世代に大人気の『Zenly』というアプリが存在する。これは地上波のワイドショーでも取り上げられ、ある種のセンセーショナルを巻き起こした。しかしそれは、どちらかといえばネガティブ寄りの反応である。「今の10代は、こんな恐ろしいアプリを利用しているのか!」という声が相次いでいる。
もしかしたら、Zenlyのせいで犯罪に巻き込まれてしまうかもしれないという懸念も囁かれているほどだ。
Zenlyは友達と位置情報をリアルタイムで共有できる地図アプリ。言い換えれば、友達の現在位置を確認することができるプラットフォームだ。それは待ち合わせの時に重宝する機能で、「Aさんは今、相模原の自宅を出て京王線に乗ろうとしている」ということが自ずと分かる。待ち合わせに遅れている人に「どこにいるの?」と聞く必要すらない。
もちろんそれは、位置情報共有を有効にしている限り世界のどこにいても現在位置が知られてしまうということでもある。もしもこれを、面識のない人物に閲覧されていたら……?
Zenlyに限らず、SNSでは面識のない人と友達になることがよくある。Facebookで知らない人物からの友達申請を何となく承認してしまい、そこから自分の個人情報が漏洩してしまった……というのは珍しい話ではない。Zenlyの場合は、現在位置というダイレクトな情報が知られてしまう。
これを防ぐには、やはり「得体の知れない人物からの友達申請を承認しない」というSNSの基本に立ち返る必要がある。だが、中にはこう考えている人もいるだろう。
「私は名もなき一般人だから、他人に位置情報がバレたところで何も起こらない」
自分は取るに足らない人間で、それ故に個人情報が流出したところで特に支障はない……と判断するパターンである。だが、個人情報の価値を決めるのは本人ではなく他人である。本人にその気がなくても、顔も知らない誰かがその人の情報を欲しているかもしれない。
「現代社会で生きる」ということは、即ち「個人情報を守る」ということである。
友達の現在位置がリアルタイムでわかる
「リア友だけが見ている」とは限らない
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