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社会人コスプレイヤーが語るコスプレ事情「出費は多いけど夢のある世界」

コスプレイヤーとファンの距離感

コミケ

コミケに参加した時のコスプレ(提供写真)

 さまざまなチャンスもあるコミケだが、ネット上ではカメラマンのマナーがしばしばプチ炎上している印象も強い。コスプレをやっていて怖い思いをしたことはないのだろうか? 「ローアングラー(下半身ばかり執拗に撮るカメラマン)みたいな人は、本当に一部だけで、少なくとも私の周りは本当に礼儀正しい人ばかりですね。私も過激な衣装を着たいと最近思っているんですが、露出度高めの衣装だとだいたい囲み撮影になるので、普通は仕切る人を一人連れていくんですよ。私も偶然その場に居合わせた方から『囲みにしましょう』と声をかけてもらって、近づきすぎないように呼び掛けたり、時間をカウントしたり、仕切ってもらえたことがあって。本当に良い方が多いです」  ファンづくりのノウハウは副業などが一般化し、個人の働き方が多様化した現在、より多くの人にとって重要になっている側面もあるだろう。  そもそもコスプレ自体が趣味の芸能活動とも言えるだろうが、イベントやライブ配信などで、着実にファンの心を掴んできたねむ部長に、ファンとのやりとりで意識しているポイントを聞いた。 「個人的には課金してくれる方だけでなく、無料で楽しんでくれる方もすごく大事にしています。もちろん、課金してくれたら特別な特典をつけるとかも大事なんですけど、それ以外の差は私の中では基本なくて。せめて一人ひとり顔と名前を覚えるように心がけていますね。無料イベントでも来てくれる人がいるってすごく大事だなと。コミケも私の列に長い時間を使って並んでくれるわけだし、もし逆の立場で認知されていたら私も嬉しいですからね」
ねむ部長

(提供写真)

 とはいえ、普通は覚えようと思ったとしても、一人ひとりのファンの顔と名前なんてなかなか覚えられるものでもない。それも含めてねむ部長の一種の才能、人気の理由ということか。 「流石に初見さんは覚えられない時もあるんですが、自分の個人撮影会に来てくれた方、セッションで一瞬でも来てくれた方も覚えるようにしていて、Twitterも顔と名前とかはけっこう一致します。差し入れをくれたり、写真をDMで送ったりした方に、『こういう話しましたよね?』と私から言うと、実際にいろんな配信にも来てくれることが多いです」

コスプレしたい女性は世の中にいっぱいいる

ねむ部長 コスプレを始めた頃から現役IT企業社員を公言し、精力的にコスプレやタレント活動にも取り組んでいるねむ部長。今後の展開についてうかがうと次のように語った。 「芸能活動みたいな経験はないけど、ちょっとグラビアやってみたい、コスプレやってみたいと思っている働く女性って、多分いっぱいいると思うんです。そういうきっかけがなくてなかなか踏み出せないという方たちに、『本業との両立も頑張れますよ』と伝えられる側になって、一緒に何かやっていけたらいいなと思います」 <取材・文/伊藤綾、撮影/藤井厚年>
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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