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入社するだけで40万円のお祝金。タクシー業界への転職はアリなのか

お祝金

写真はイメージです

お祝金制度はけっこう高額

 タクシー業界には他業種にみられない羨ましがられる慣習がある。それは、紹介金制度とお祝金制度。紹介金制度とは、今所属するタクシー会社に知人などを紹介すると会社から紹介料として金一封が貰える。お祝金制度は、現認者(タクシー経験者)が入社した際に貰えるお祝金である。  紹介金制度とは、今所属するタクシー会社に知人などを紹介すると会社から紹介料として金一封が貰える。お祝金制度は、タクシー経験者のみ(タクシー未経験者は貰えない)が入社した際に貰えるお祝金である。  それぞれ会社によって20万~40万と開きがあるがそれなりの額が貰えるのだ。紹介するだけ、入社するだけでお金が貰えるのはありがたい。それもかなりの額のお金が。  特にベースアップなど期待できないタクシー業界。ほぼ歩合給なので転職による賃金減少などほとんどない。ボーナス代わりに紹介金やお祝金をもらう感覚であろうか……。そんなことで、紹介金目当てに引き抜きが横行し、そのお祝金を目当てにタクシー業界内での転載を繰り返す転職ジプシーたるものも存在する。  その背景には慢性的な人材不足があるが、タクシー業界に限らずドライバーと名のつく職種は常に人材不足。大手宅配便業のヤマト運輸でさえ人材確保の為、紹介金制度で紹介者には金一封を与えていたが、これほどまで高くはない。

タクシー会社のお客様はドライバー

 タクシー業界内での転職は当たり前となっている。その転職というのもスキルアップというよりも条件面でというのが多い。  タクシー会社、条件面はそれぞれである。営業面でいえば、無線(迎車)の数や営業歩合率。歩合率は売上の50~60%がほとんどであるが中には60%を超える会社もある。また、営業時の高速代金、クレジットの手数料などドライバーが負担する会社もあり、事故負担金もドライバーが負担する会社さえある。同じ売上げであっても会社によっては入ってくるお金に開きが生じてくるのだ。したがって会社選びはとても重要である。当たり前のことだが、自然と条件面のいい会社には人材が集まり、悪い会社には集まらない。  また、タクシー会社は稼働率を気にする。稼働率とは、保有台数に対して何台営業しているかを示す数字。無論営業していなければお金は入らず経費ばかりが嵩んでいく。稼働率を上げるためにも人員が必要となるのだ。  タクシー会社にとってのお客様は乗客ではなく、ドライバーそのものである。そのような背景もあり金一封の代金が破格なのであろう。

敬遠される職業

 タクシードライバーと言えば、転職の最後の砦や墓場、かつては雲介※と揶揄されていた。駅のタクシー乗り場でドライバーがたむろしてタバコをふかす光景や道端で昼寝している姿を見たりすると正直、あまりいいイメージをもたない人も多い。  筆者も父親に「タクシードライバーにだけにはなるな」と言われ続けて、結局、タクシードライバーになってしまった。風評と不規則な勤務、平均年収の低さが相まって、ドライバーのイメージは未だ低いままである。 ※雲助:定まった住所がなく雲のようにあちこちをさまよっているからとも、また、網を張って客を待つのが蜘蛛(くも)のようであるからともいう。江戸時代、宿場や街道で駕籠舁(かごか)きや荷物運搬などに従った人夫。人の弱みにつけこむ、たちの悪い者が多かったところから、無頼の者たちのことをもいう。三省堂 大辞林 第三版より 「お前、何の仕事してるんだ?」 「運転手」 「何の?」 「車の」 「当たり前だ! 何の職種だって聞いてるんだよ」 「サービス業」 「だから、どんな仕事だ」 「ドライバー」 「……」  という具合に友人や親戚などに未だ自分がタクシードライバーだと言えないものもいる。若い人が入社してきたら、「他にやる仕事いっぱいあるだろ、なんでタクシーなんだ」と説教をたれる者さえいる。そんな言った本人がタクシーをしているのだから世話がない。  もちろん誇りを持ってタクシー業務をするものもいるが、自信も誇りも持たない多くの人たちが、先人たちの負のイメージを引き継ぎ、またそれを下の代に引き継ごうとしている。
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深刻な高齢化のカラクリ
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