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倒産・リストラしそうな会社の予兆TOP8。300人に聞いた理由

 新型コロナウイルスの感染拡大は収まる気配はなく、経済状況の逼迫は拡大の様相を見せている。企業の倒産は右肩上がりで、厳しい舵取りが予想される。過去に勤務先の倒産やリストラを経験した300人に聞いた会社が傾いた理由とは?
[会社がヤバい!]を見抜く

イラスト/田川秀樹

完全失業者数197万人、休業者220万人、10月以降はさらに…

 コロナ不況が本格化しつつある。帝国データバンクの調査によると、緊急事態宣言が発出された4月以降、「新型コロナウイルス関連倒産」の憂き目に遭った法人・個人事業主が急増、とりわけ飲食業、ホテル・旅館、アパレル・小売店が死屍累々だ。
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5/25の緊急事態宣言解除後、倒産数は3倍に増加している(2/29~9/2・帝国データバンク調べ)

「個人消費の落ち込みが大きく影響しています。外出自粛によって百貨店の利用客が激減してアパレル業界に打撃を与え、多くの人が外食や旅行を控えた結果、飲食店やホテルの経営も悪化しました」  そう指摘するのは、経済評論家の加谷珪一氏。飲食店やホテル・旅館は、オープン前の設備投資に大金がかかり、その多くが借り入れで賄われている。収入が途絶えれば、すぐに返済に行き詰まってしまうのだという。 「各種の統計から試算すると、飲食やホテル業界では、利用客が2~3割減ると、現金が半年で尽きてしまう。もともとお金のやり繰りが難しい業界を、コロナ不況が直撃しているんです」

世界的な自動車不況が引き起こす最悪のシナリオ

 今後も消費が回復しなければ、さらに経済的被害は広がる。 「世界的に自動車の販売が落ち込んでいる状況が今後も続けば、日本の自動車業界のダメージのみならず製造業全体が傾く。自動車向け需要が多い鉄鋼メーカーやゴムなどの化学メーカーはもちろん、昨今の自動車はコンピュータ制御ですから半導体メーカーも大変。工場の生産設備をつくっている会社にも影響が出るでしょう」 倒産 そして10月以降は新たな局面を迎えるだろう、と加谷氏。 「企業の多くは9月頃から来年度予算の作成を始めます。その際に、大企業ではリストラ、希望退職者の募集、ボーナス・昇給ナシなど人件費のスリム化を図ることが予想されます。  同時に下請けの中小企業への値引き要求も実施するはず。日本には大手メーカーの下請けをしている中小企業が多く、シビアな状況になります。さすがに取引先の倒産を放置できず、発注元のメーカー主導で経営が苦しい中小企業の合併を進めるケースもあるでしょう。  ただ、新たな会社で働ける人数は限られている以上、職を失う人も出てきそうです」  東京商工リサーチによると、上場企業での早期希望退職実施状況は8月半ばで52社にも達しており、大企業も深刻な状況だ。
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倒産した理由は?
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表紙の人/ 日向坂46

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