神戸新聞杯はギアが入り最高速度が問われる「5速」
続いては菊花賞の前哨戦となる神戸新聞杯です。実はこのレース、過去の好走馬を見ると19年サートゥルナーリア、18年ワグネリアン、17年レイデオロとキセキ、16年サトノダイヤモンドとミッキーロケットなど後に活躍する馬が毎年結果を残しています。
当然春クラシックを戦ってきた馬が中心となるので当たり前と言えば当たり前なのですが、中にはこの時にはまだ人気薄だった馬などもおり、必ずしも過去の実績だけで決着しているわけではありません。
ではなぜ後の活躍馬がここで結果を出しているか?
それは神戸新聞杯というレースが
トップスピードの高さを競う品評会のようなレースであるためです。過去5年の神戸新聞杯の平均ラップは道中12秒台後半が続き、ラスト3ハロンは11秒台前半のラップを続けて記録。
まさに直線に入ってギアが切り替わり、最高速度比べのお手本と言えるレースです。
神戸新聞杯の過去5年の平均ラップ 今年は競馬場が違うが菊花賞ステップの位置づけからラップに変化はないと見た
今年は例年とは異なり中京競馬場での開催とはなりますが、コース形態は変わってもレースの質は条件が極端に変化しなければ大きく変わらないというのが持論。
それは
菊花賞を目指す有力馬の叩き台というレースのテーマが確立されているからです。道中から仕掛けるようなことはほとんどないので、今年も例年同様に最高速度比べとなるでしょう。
クラシック二冠のコントレイルの指数はいかに……!?
それではこちらも現在開発中の指数から注目馬をピックアップしていきます。
神戸新聞杯5速指数ランキング
【5速指数1位・コントレイル】
5速指数最上位となったのはやはりコントレイルでした。皆さんのイメージ通りといったところかもしれませんが、やはり同馬のトップスピードはこの世代の中でもトップに位置します。
東京スポーツ杯2歳ステークスでは上がり3ハロンは33.1秒を記録。自身ラスト2ハロン目には10.5秒を記録しています。もはや多くを語る必要もないでしょう。
【5速指数2位・マイラプソディ】
2歳時はクラシック有力候補の一頭に数えられていましたが、結局春は皐月賞13着、ダービー9着と結果が出ませんでした。しかしこれはスピードだけでは通用しないGⅠの洗礼と言えるでしょう。
野路菊ステークスで記録した上がり3ハロン33.4秒、自身ラスト2ハロン目の10.8秒は馬場状態を考えると非常に価値のあるもの。トップスピードだけが問われる神戸新聞杯なら通用しても不思議ではありません。
もちろん、これからスタミナ面も強化されていけばドンドン強くなると思いますので今後も注目の存在です。
【5速指数3位・メイショウボサツ】
指数的には前述した2頭が抜けていますが、最後に穴っぽいところで3位となったメイショウボサツを取り上げておきます。
注目すべきは2歳レコードにもなった19年12月7日に行われた2歳未勝利戦。
中京競馬場は直線こそ長いコースではありますが、ラスト1ハロン近辺で2mの急坂が待ち構えているために上がりが掛かりやすいコースでもあります。
その条件の中、4コーナーでは外を回るコースロスがありながら上がり3ハロン34.0秒を記録しています。
ラスト2ハロンには自身10.8秒と速いラップを刻んでいます。トップスピードなら同世代でも劣りません。
(データは全て2015年~2019年。本文中の各馬の1ハロンタイムは独自で採取)
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