お金

多摩川で金を採掘。時給にするといくら儲かる?

時給はたったの100円だけど……

 しかしそれでも、筆者は言いたい。「砂金掘りはカネ儲けではない」ということを。  砂金の採れる川は、概して山間部の清流である。パンを洗う手をふと止めると、川のせせらぎが耳に飛び込んでくる。吹き渡る涼やかな風。鳥のさえずり。新緑のにおい。そこが都会を離れた別天地であることに、誰もが気づくだろう。そして顔を出した砂金が、数千万年もの時を経て、今自分の手元にある不思議さ。金色の小さな輝きに、地球という生命の神秘を思わずにはいられない。さて、早く家に帰って黄金の液体(ビール)でも飲むとするか。採取した砂金は川に戻し、筆者は帰路についた。
(なかやま・しげお)ノンフィクションライター。北海道出身。上智大学文学部卒。主な著書「ハビビな人々」(文藝春秋)、「笑って! 古民家再生」(山と渓谷社)、「田舎暮らし始めました」(LINE文庫)など。「渓流」(つり人社)にて砂金掘りの記事を、「ノースアングラーズ」(つり人社)にて「ヒグマ110番」を連載中
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