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「失業と孤独がアルコール依存症の扉に」医師が警鐘

日常を取り戻すまで

病院 宮沢さんは精神科を受診したところ、おそらくアルコール依存症で鬱気味と言われたそうだ。当時のことは記憶が曖昧だという。  現在は再就職を果たし、日常を取り戻すことができたというが、復帰には「友人の存在が大きかった」と話す。 「私がいくら返信を返さなくても、毎日電話やLINEで安否確認をしてくれて。責めたりすることもなく、ただただ寄り添ってくれました。友人のなかには、ちゃんと食べろって果物を送ってくれる子もいました。無理やり外に出そうともしなかったし。徐々にですが、周囲の人が支えてくれたので立ち直れました。ひとりだったら、もしかしたら、まだ引きこもって飲み続けていたのかもしれません」  ここで一件落着かと言えば、そうでもない。春頃から続くコロナ禍の影響だ。 「いまの私の仕事はリモートで出来るのでそれほどコロナの影響は出ていませんが、まわりの人たちが失業したり、病んでいたりする様子を見て、自分まで落ち込んでしまうことが増えて。完全に“もらっちゃってる”感がありますね。その結果、気がつくと毎晩自宅でお酒を飲んでいて。ひとりで居酒屋に行くこともあります。翌日は朝起きれない、アルコールが抜けない……そんな憂鬱な日々が続いています」

医師が警鐘「失業と孤独がアルコール依存症の扉に」

 精神科・心療内科医の信田広晶氏は「失業(金銭的な困窮)や孤独がアルコール依存症への扉になりうる」と警鐘を鳴らす。 「人は、先の見えない不安な状況に陥ると、人に助けを求めます。人間は古代ギリシャの時代から社会的動物といわれ、群れをつくる生き物です。人は“人と人との絆”なしでは生きていけない生き物なのです。ですから人は、どんなに立派な人であっても孤独に陥ると何か他のものに助けを求めるのです。  たとえば、ペットだったり、宗教だったり、愛読書だったり……。そのなかでアルコールは日常的に簡単に頼れて、自己逃避もできる手段です。困窮のうえに孤独が重なれば、アルコール依存症へのリスクはかなり高まると思われます」(信田広晶氏、以下同)  今回の宮沢さんは、ひとりの状況になってしまったことで次第に孤立感を深めていき、より一層、お酒の力に頼ってしまった。そんななか、日常復帰には「友人の支えがあった」とも話す。現在はSNSを通して友人の近況などをうかがい知ることもできるが、「最近なんだか友人の様子がおかしい」と気づくこともあるかもしれない。  そんなとき、友人の立場としてはどのように接してあげればいいのだろうか。 「お酒に頼るようになったきっかけは、やはり孤立感を深めてという方が多いと思います。そばに寄り添いその人の話をひたすらよく聞いてあげることです。さんざん聞いてあげて、そのうえで『あなたのことが心配なので』と伝えてあげるといいでしょう」
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専門機関受診の目安「こんな人は要注意」
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