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蒔田彩珠が「子役から女優に」なろうと思ったきっかけ

いつか多重人格の役を演じてみたい

――映像関連でハマっているものは何かありますか? 蒔田:最近、NETFLIXのドラマで『ラチェッド』(2020年)というドラマを観ました。空いた時間は、ずっとNETFLIXを観てます。今、お勧めするとしたら『ラチェッド』と、あと、あの……エミリーが、女の子が、パリに転勤する話なんですけど……。 ――あれですね、フィル・コリンズの娘さんが出ているドラマですよね? 蒔田:あぁ、そうですそうです!『エミリー、パリへ行く』(NETFLIX、2020年) ――そういうドラマを観ながら、女優業に活かそうと思ったりすることはありますか? 蒔田:日本のドラマや映画を観ていると、そういう目で観ちゃうので。逆に海外のドラマだと、英語もできないので(笑)。あまりお芝居とかを気にせず観れるので、そうしてます。 ――そうか、日本のドラマを観ちゃうと……。 蒔田:あー私だったらこう演じるなぁとか、こういうやり方もあるんだぁとか……。 ――仕事を思い出しちゃうみたいな感じ? 蒔田:そうですね(笑)。 focuson04――今後やってみたい役はありますか? 蒔田:『ラチェッド』でも出てくるんですけど、多重人格の役をやりたいなって、ずっと言っています。 ――なるほど、なんか合いそうな気がしますね。多重人格モノの作品は、何か観たことはありますか? 蒔田:なんだっけ……私、ホラー映画が大好きで、24個ぐらい人格を持っている男の人に女の子が誘拐される話で、タイトルを忘れちゃったんですけど、それです(『スプリット』2017年)。それを観て「わー、すごい!」って思いました。ホラーも大好きなんです。 ――ホラー関連だと、小説なんかも読んだりしますか? 蒔田:小説は、本当に面白かったものを、何回も読む。例えば、ホラーっぽいんですけど……『幻屍症インビジブル』(実業之日本社刊)。周木律さんという作家さんが書いている小説なんですけど、それが面白かったです。 ――憧れてる女優さんや目指している女優さんはいますか? 蒔田:海外の女優さんになっちゃうんですけど、クロエ・グレース・モレッツ。クロエ・グレース・モレッツが大好きで、あとアン・ハサウェイ。このふたりは魅力的だと思います。 ――おふたりの作品で好きな作品は何ですか? 蒔田:クロエ・グレース・モレッツだと『彼女が目覚めるその日まで』(2017年)。アン・ハサウェイの作品では『マイ・インターン』(2015年)かなぁ……でも『プラダを着た悪魔』(2006年)も可愛かったです。 ――いずれ海外の作品にも出てみたいとか、そういう思いはあります?それこそ是枝監督の手掛ける海外での作品とか……。 蒔田:そうですね。是枝監督だったら、安心して身を任せます。 focuson05******impression******  是枝裕和監督から「台本、要る?」と聞かれたというエピソードが、とにかく印象的で、子役から「女優」へと脱皮するイニシエーションを、こんな風にひと言で表すことができるというのは、まさに、この先に広がる将来を感じずにはいられない(こういうのって狙ってつくれるエピソードではないので)。興味の幅も慎重に広げながら、まだまだ空きスペース自体はたくさんある感じで、今後、女優業が充実していくに従って、きっと多層的に深まっていくんだろうなと思う。彼女と様々な監督とのハレーションを、2020年代、もっともっと見てみたい。 蒔田彩珠(まきた・あじゅ) 2002年8月7日生まれ。神奈川県出身。7歳の時に子役デビュー。2012年、是枝裕和監督によるテレビドラマ『ゴーイング マイ ホーム』(関西テレビ系)での好演が話題となり、その後、2016年『海よりもまだ深く』、2017年『三度目の殺人』、2018年『万引き家族』と、是枝監督作品の常連に。2018年、初主演を果たした『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』では第33回高崎映画祭最優秀新人賞等を受賞。10月23日からは物語のキーパーソンとなる「片倉ひかり」役を務めた、河瀨直美監督作品『朝が来る』が公開。来春にはNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』への出演も控える。インスタグラムは@makita_aju 取材・文/鈴木さちひろ 撮影/山川修一
武蔵野美術大学大学院卒。テレビ朝日にて番組等のプロデュースを行なう。ほか、作詞や脚本の執筆、舞台の演出・プロデュースなどを手掛ける。
本連載の企画方針は「♯0」をご覧ください。
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