♯4 蒔田 彩珠さん(前編)
テレビプロデューサー「鈴木さちひろ」が“今後輝いていくであろう女優やタレント”を独自にピックアップする新連載『focus on!ネクストガール』。
蒔田彩珠(まきた・あじゅ)さん。子役として出演したドラマ『ゴーイング マイ ホーム』(関西テレビ、2012年)以降、是枝裕和監督作品の常連となり、その後、初主演を務めた映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(2018年)では高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞。10月23日(金)公開の河瀨直美監督『朝が来る』では複雑な事情を抱える少女役を演じている。そんな彼女の、女優へのこだわりや、プライベートを聞いてみた。
――色々とお伺いさせて頂きます。最初の質問なんですが、リラックスする時は何をしますか?
蒔田:そうですね……犬を飼っているので、犬と寝ます!犬と寝てる時が、いちばん癒されますね。散歩へも行きます。家の近くに公園があるのでそこへ……3匹飼ってるんですけど、3匹連れていると見られますね、うるさいので(笑)。
――なるほど、飼う時に選ぶのは蒔田さん?
蒔田:兄妹みんなで行くんですけど、私が絶対に決めます(笑)。犬種は3匹ともバラバラです。
――3匹のうち、このコを可愛がっちゃうとかありますか?
蒔田:いちばん最初に飼ったワンちゃんがけっこう人間っぽくて、めんどくさい性格なんですよ。他のコを可愛がっていると、寄ってくるとかじゃなくて、本当にすねちゃう。あのコがいちばん可愛がらないといけないコです。みんなちゃんと気持ちがあるんですよね。
――他に飼ってみたいペットはいますか?
蒔田:うーん……カワウソを飼ってみたいです。ちっちゃいやつ。お兄ちゃんがカワウソを大好きで、この前カワウソカフェに行きました。
――カワウソカフェ?!
蒔田:カワウソカフェ、あるんですよ!可愛いです、本当に。カフェの中を、3、4匹くらい、うじゃうじゃって歩いてます(笑)。いずれ飼ってみたいなって思ってます。
「ひかり」の家族と共同生活しながら学校にも登校
――なるほど。では、女優業の話に移りますが、映画『朝が来る』(10月23日公開)の話を最初に聞いた時はどうでしたか?
蒔田:オーディションへ行く前に、辻村深月さんの原作(『朝が来る』文春文庫)を読んで「あぁ、この役は絶対やりたいな」と思ってたので、全力でオーディションを受けました。
――そうなんですね、辻村深月さんの本を読んだ時に、もうやりたいなって……。
蒔田:……やりたいなって思いました!この役は、14歳から20歳 までの話なんですけど、この成長を演じられたら、絶対にいい経験になると思いました。
――実際に演じた「片倉ひかり」の役をやるにあたっての役づくりはどんな風に?
蒔田:河瀨監督の現場では役積み期間というのがあって、3週間くらい、映画の中で「ひかり」が登校している学校へ登校したり、部活へ行ったり、家族の皆と一緒に暮らしたりしましたね。
――役積み!本当の自分ではなく、役になりきって生活するというのはどうでした?
蒔田:最初は違和感がありました。名前も「ひかり」って呼ばれていたし、お母さん(中島ひろ子)もお母さんらしく本当に怒ってくるので(笑)。でもその期間があったから、家族の関係性のようなものができたのかなとも思いました。
――撮影に入ってから、難しかった、印象に残っていると感じたシーンはありますか?
蒔田:そうですね……やっぱり「佐都子」(永作博美)と「清和」(井浦新)と「ひかり」がマンションで対立するシーンは、大変でしたね。
――共演者の中で、この方の演技には惹きつけられたという方はいますか?
蒔田:(劇中に出てくる)「ベビーバトン」の寮で、先輩妊婦さんの山下リオちゃんと一緒に生活したんです。その中で山下さんが役としてインタビューされているシーンがあって、監督が実際に撮っているんですけど、そこの山下リオちゃんの演技には、本当にグッときましたね。
――その山下リオさんはじめ、共演者の皆さんと撮影中、どんな風に過ごしてましたか?
蒔田:一緒に、島の寮で暮らしていた、山下リオちゃんにはご飯をつくってもらったりもして、本当のお姉ちゃんみたいな感じでしたね。