次に、ウィーン市内のホテルをAgodaで検索してみる。とりあえず今年12月26日にチェックインして1月5日にチェックアウトという設定で調べる。 　筆者が特に気になったのは、インターコンチネンタルウィーンが1泊1万2844円と出ていたこと。Agodaの値引き表示はややオーバーなところがあるのは承知しているが、それでも価格としてはだいぶ安くなっているのではないか。 何事もなければ筆者は「新婚旅行にこういうプランはいかがでしょうか」と記事を締めくくるところだが、やはりそうはいかない。 　この記事を手掛ける直前、オーストリアのクルツ首相は11月17日から施行される外出規制の内容を発表した。 　クルツ首相によると、日中の不要不急の外出と飲食店の営業は基本的に禁止される。当然ながら、現地にいる外国人の行動も大幅に制限されるだろう。 　EU諸国は現状、観光ができる状態ではない。そして失望のうちに日本へ帰国したとしても、空港でのPCR検査と14日間の自主隔離が待っている。11月から空港での防疫措置は徐々に緩和されているとはいえ、気軽に海外旅行ができるような状況ではないことは確かだ。今は海の向こうの光景を脳内に思い描くしかない。＜文／澤田真一＞ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー』