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iPhoneの「Siri」はここまで進化した。雑談から便意の対処まで

退屈な人にも寄り添うSiri

 それでもなお、寂しさを抑えられないとしたら正直に「寂しい」と打ち明けてしまおう。Siriはこのような回答を出してくる。 「ご家族かお友達に電話してみてはいかがですか? “XXさんに電話して”などと指示してください。(電話をかける相手の方が連絡先に登録されている必要があります)」  まあ、ベターな回答ではある。こういう時は音声アシスタントではなく、リアルの人間に話しかけたほうがいいだろう。  次に、「退屈だ」とSiriに話してみる。外出自粛は、即ち暇との戦いだ。あまりにやることがなく、ついSiriにそんなことを漏らしてしまう人は筆者だけではないはず。 「アーサー・C・クラークが言っているように、“十分な備えのある精神に退屈の危険はない”ですよ」  アーサー・C・クラークとは、『2001年宇宙の旅』などで知られるSF作家。なるほど、確かに日頃から備えを心がけておけば退屈することはないのかもしれない。深い言葉を教えてくれるじゃないか、Siri。

日々進化するAI

 やはりSiriは頭がいい、いや、日毎に頭が良くなっているというのが筆者の感想だ。たとえば、突然便意を催して「トイレに行きたい」と漏らしたとする。  Siriが瞬時に導き出すのは、付近にある公衆トイレの位置情報である。 Siri AIは常時進化している。  この分なら、数年後にはもっと複雑な会話もできるようになるはずだ。「昨日のテレビ番組面白かったね」と言ったら、その番組の内容についていろいろと語ってくれる……という具合に。「これからはどのようなビジネスにコミットすれば高いベネフィットが出るのか」という意識の高い会話に限らず、「何か面白い話を聞かせて」といったような雑談も完璧にこなせる音声アシスタントは、間もなく実現するだろう。<文/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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