仕事

30代女性パチンコライターの給与明細。コロナ禍で6200円という月も

 コロナ禍や構造不況、はたまた自堕落な生活など……その業界の平均から落ち込んだ収入での生活に甘んじている人がいる。その理由は? そこから抜け出す術はあるのか? 今回は2年前パチンコライターへの転身した女性を取材。給与明細とともに今の心境を語る。
おひるおかず

パチンコ歴は12年のおひるおかずさん。「セクシーパチンカー選手権」という企画で、自前のコスプレを披露したこともあるという

月給10万円超えは夢の夢!? コロナ禍で6200円の月も

 カメラの前で一喜一憂しながらパチンコを打ち実況する、パチンコライター。かつては新台の機種情報や攻略情報を原稿化する仕事が主だったが、昨今では実戦動画などの演者としての活動が多くなっている。一時は声優を目指していたおひるおかずさん(32歳)が約2年前パチンコライターへの転身を決意したのも、演者として身を立てようとの思いからだった。 「友達とパチンコに行くと、『外れても当たっても、あんたのリアクションは面白いよね』ってよく言われてたんです。昔から表現することや、人を楽しませることが好きだったので、この仕事は自分にすごく合ってる。読者さまにパチンコの面白さを伝えたいと思いながら、日々頑張ってます」  ただ収入は安定せず、月の稼ぎがこの2年間で10万円を超えたのは一度だけ。業界のトップクラスなら月に3桁を稼ぐが、彼女の平均月収は6万円どまりだとか。 「特に厳しかったのは2020年の3~6月。パチンコ業界はコロナの影響をモロに受けたので、ホールでの取材や撮影が流れたんです。そのせいで収入が6200円という月もあったくらい。しかもこれだけ収入が減ったのに、コロナの持続化給付金の申請に必要な書類作りをミスり1円ももらえず……」

パチンコの収支は…

 この低収入では食べていけず、声優時代からお水のバイトを続けているが、懐事情は好転せず。 「一番の問題は、まとまった貯金がないこと。取材では、ホールで実際に打つんですが、当たらなかった場合を想定して実戦1時間あたり自腹で1万円ほど持っていきます。長時間の実戦でハマってしまうと5万円、10万円と平気で飛んでいくのでかなりキツい。だから、せっかく仕事のオファーをもらったのに、お金がないせいで流れてしまうことがあるんです」  2020年は、仕事で打った収支がプラス25万円の一方で、プライベートではマイナス100万円を超えた。“タネ銭”不足は明らかにプライベートでの油断した立ち回りのせいだろう。 「当たらない日は諦めるのが賢いんですけど、どんなに負けても一回ぐらい当てたいという気持ちが湧いてしまうんです。それで気づいたら5万円負けちゃう」  彼女の豪快な負けっぷりを生かす媒体が現れることを祈りたい。 <給与明細> 実働5日 6万円 ・原稿料 1万円 ・番組出演料 5万円 ※パチンコライターの平均月収 25万円(編集部調べ) ▼おひるおかずさん(32歳) 三十路前に声優を諦め、パチンコ業界に特化した専門学校を卒業後、2019年3月にライターとしてデビュー <取材・文/松嶋千春(清談社)>
様々なメディア媒体で活躍する編集プロダクション「清談社」所属の編集・ライター。商品検証企画から潜入取材まで幅広く手がける。
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