仕事

コロナ禍でも求人が絶えないタクシー業界。「誰でもできる」は本当か?

タクシードライバーの理想と現実

 タクシーの勤務体系は隔日勤務である。1日仕事をして翌日は明番。ある意味休日だ。月に11~13日の出勤でありその他は休みである。  つまり自分の時間が普通のサラリーマンよりも十分にもてる。  その魅力に惹かれ、趣味や資格取得の時間に充てようとしたり、夢を追う時間に充てたり、このコロナ禍においては再起を賭けての充電期間にしようと考えいてタクシー業界に飛び込む人は多い。  しかし、実際タクシーの仕事をしてみたら「こんなはずじゃなかった……」と思う人も多い。  不規則な勤務体系により体の不調を訴えたり、魅力だった明番の日には寝不足により寝て過ごしてしまい、やりたいことが出来なかったということをよく聞く。  資格の勉強に机に向かえば「眠くて何にも頭に入らない」と資格試験に失敗し、趣味の釣りをしに糸を垂らせば「ウトウトしまい魚に竿を持っていかれた」と要らぬ出費がでてしまう。

タクシー業界で成功できる人

 また、長時間の運転により事故や違反のリスクは一般ドライバーよりも数倍ある。万が一、取り返しのつかない事故など起こした場合は、再起をかけてのタクシーライフが再起不能となってしまうことさえある。  一度タクシー業界に飛び込んだら他の業界には行けない身体になってしまうという。  人間関係も引き継ぎ業務も煩わしいものは存在しないタクシー業務。自由気ままな業務がかえって仇となる。腰かけ就職だったはずが、いつの間にかにタクシードライバーとしてやっていくしかないということになってしまう。  自分を律する精神、つまり自己管理能力に長けた人ではないと、タクシー特有の勤務形態を上手く活かすことはできない。もしそれを持ち合わせているのであれば、タクシーで稼ぎも充実した自由な時間も手に入れることができるだろう。
物流ライター。ライター業の傍らタクシードライバーとして東京23区内を走り回り、さまざまな人との出会いの中から、世の中の動向や世間のつぶやきなど情報収集し発信する。また、最大手宅配会社に長年宅配ドライバーとして勤務した経験とネットワークを活かし、大手経済誌のWEB版などで宅配関連の記事も執筆する。タクシー・宅配業界の現場視点から、「物」・「人」・「運ぶ」・「届ける」をそれぞれハード(荷物・人)だけではなく、ソフト(心と気持ち)の面を中心に記事を執筆中。ブログ「吾は巷のインタビュアー!」
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