30代未婚女性の4人に1人が処女! アラサー処女の告白
厚生労働省の「第14回 出生動向基本調査」(2010年)によれば、30~34歳未婚女性の23.8%が、35~39歳では25.5%が「性体験をしたことがない」と答えたそう。つまり、30代未婚女性の約4人に1人が「処女」ということになる。
「童貞」が『電車男』『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『モテキ』などのヒット作でも題材とされる一方、偶像視されこそすれ、これまでその“リアルな生態”を描かれることが少なかった「処女」。それも10~20代ではなく、30代となると、自分が処女であることをオープンにする人も少ないため、非常にベールに包まれた存在といえる。
しかし、そのベールを拭い去り、みずからの生態を赤裸々に告白しようというアラサー処女が現れた。先日、コミックエッセイ『30歳、処女なのにエロ漫画描いてます。』を上梓した、漫画家の森田ゆきさんだ。
森田さんの本業は、上のタイトルが示すとおり、なんとエロ漫画家。「処女なのに」、なぜそのジャンルを選んだのだろうか。
「27歳のときに漫画雑誌で新人賞をもらったのですが、そこから鳴かず飛ばずで。編集さんからは『パンチラとか、ちょっとエッチなシーンを入れるといい』なんてアドバイスをもらっていたのですが、『そんなの恥ずかしくて描けない!』と思っていました……。それでも、あまりにもウダツが上がらないので、『ならばいっそ』と、思いっきりエロを描くことにシフトしたんです」
こうして“振り切った”森田さんの作品は今や、「村の奇祭で女が性の生贄になる」「人妻が相撲取りに襲われる」など、小柄でかわいらしい外見からは想像もつかない、猛々しい内容のものが多い。
「もともと、金田一耕助みたいなオドロオドロしい世界観が好きで。『村』『祭』『生贄』……みたいなテーマに、グッとくるんです(笑)。女性向けのエッチな漫画も好きで昔から読んでいたけど、肌を重ねるまでの男女の機微は、処女の自分には描けない。それよりも、男性向けの荒っぽいエロ漫画のほうが、いきなり襲われたりするシーンから入るので、描きやすいんですよね」
「処女」という言葉の響きが持つ、うぶなイメージをことごとく覆す、森田さんの作品たち。さらに森田さんは、そんなイメージ上の「処女」とは異なる、リアルな処女像について話してくれた。
◆純潔なんかじゃない!
「男性がイメージする処女って、“かわいくてナンボ”ですよね。実際の処女は男性が考えているほど清くないですから! 『誰のものにもなりたくないの☆』みたいに思ってる処女なんていないと思うし(笑)。でも、思春期の頃から、男性をどこか『苦手な存在』として見てきたのは確か。そのくせ、こんな私の“内面”を好きになってくれる、“非の打ち所のない”イケメンがどこかにいるはず、と思っちゃってるんですよね」
◆イケメンが苦手!
「とはいえ、実際に頭もいい、顔もいい、高スペックな男性を前にすると、とたんに自分のなかの“中2くん”が目覚めてしまって(笑)『コイツには勝てない……』と、なぜか同じ男性目線で“敗北感”を覚え、卑屈になってしまう。こうなると、いくらイケメンでも恋愛対象に見ることすらできなくなってしまうんです」
◆童貞は嫌い!
「じゃあ、同じく童貞の人ならいいかというと……童貞に初めてを捧げるのは避けたい、と思ってしまいます。いい年して童貞なんて、絶対どこか問題があるに違いない!って、自分のことを棚上げして思っちゃう。似たもの同士、同族嫌悪なんでしょうね」
◆「好みのタイプ」と言われても警戒!
「何度か婚活パーティに行ったことがあります。そこで一度、適当に書いた番号の男性とカップリングしてしまったことがあって……。相手の男性は、2人になってすぐに『好みのタイプだ』『結婚したい』とぐいぐい攻めてきたんですが、『タイプって言いさえすれば、喜んで付き合うと思ってるの!?』と警戒してしまった」
かように、「処女の頭の中」を赤裸々に、かつ冷静に分析する森田さん。「今後の目標は?」と尋ねると、次のような答えが返ってきた。
「うーん……今までは『彼氏が欲しいな』と思っていたけど、この本を出版して、処女ネタを捨てるのももったいない気がしています(笑)。これからは、もっと同志の話を聞く機会がほしい。アラサー処女ひとりひとりの声を一同に集めて、阿鼻叫喚の地獄絵図を描きたいですね(笑)」
地獄絵図!? 見てみたいような、見たくないような……。 <取材・文/さかあがり>
『30才、処女なのにエロ漫画描いてます。』 アラサー処女の生活! |
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