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ホステスの“コロナ貧困”事情「月収50万円が15万円。外食は客との同伴のみ」

月収は15万円まで落ちる

 だが、6月の緊急事態宣言解除後にラウンジが再開しても以前のような生活には戻らなかったという。 「営業再開してもお客さんがまったく来なかったんです。再開してしばらくは、キャストをフル出勤させていたのですが、すぐに出勤を削られるようになりました。客予定があるときしか出勤させてもらえなくなり、さらに時給も下がって3500円に。どんなに営業しても週2~3日しか出勤できず月収は15万円程度まで下がりました。家賃を払うだけでも手一杯になり、この頃から家にある不用品をフリマサイトで売るようになりました。ブランド物の服やバッグから着なくなった店のドレスまで、売れるものは何でも売りました」  マイさんが「貯蓄ゼロ」だといったのは、彼女の浪費癖にある。ほしいと思ったものはすぐに買ってしまう性格だそうで、中でも特に多いのが化粧品だという。 「韓国コスメが好きで大阪に韓国コスメの専門店がないときから、何度も韓国に行っています。大阪から釜山まで1時間半ほどで行けるので、韓国コスメだけを買いに日帰りで行くこともありました。韓国コスメはトレンドの変化が早いので、次に来たときはもう売っていないかもしれないので大量に買ってしまうんですよね。日本未発売の商品も大量に買い込んでいたので、その話を友人のキャバ嬢にしたところ売ってほしいと言われたんです」

韓国コスメを売って生計を立てる

韓国コスメ

特に売れるという韓国のシートマスク

 このことをきっかけに韓国に行けないキャバ嬢や、フリマサイトで韓国コスメを売るようになったというマイさん。 「コロナの影響で大阪でも韓国コスメショップの品揃えがあまり良くなくて、値段も以前より高くなっているそうなんです。今はそれで収入の半分を得ていて、フリマサイトの売上も合わせると月5万円ほど。生活費には全然足りないけど、贅沢しなければどうにかやっていけます。最近は外食は同伴のみで、それ以外は店でお客さんに出すチャームのお菓子をこっそり食べています。でも、今回の緊急事態宣言、いよいよヤバイですね。飲食店のアルバイトでも助成金がもらえているというのに。私達ももう一度、給付金をもらえなければやっていけないですよ……」  コロナ禍で貧困に陥ってしまったマイさん。彼女のようなホステスは日本に何万人といるのかもしれない。<取材・文/カワノアユミ>
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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