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「かくた」じゃなくて「つのだ」だよ!20歳の日本人F1ドライバー角田裕毅

超速で駆け抜けた、F1へのステップ!

――F2を1年間戦って成長したところは? 角田:ドライビングはもちろん改善してますが、メンタルです。F2に上がったときからメンタルトレーナーについてもらって、毎レース後にどういう感触だったか、どういうメンタルだったかを会話しながら分析してきました。 メンタルトレーナーから指摘されたのは「未来のことを考えすぎ」ということ。スーパーライセンスを獲れなかったらどうしようとか考えてしまうと緊張も増して、それが焦りにつながってました。改善するために、目の前のことだけに集中することにしました。 例えば、練習走行の1コーナーでどういうふうにブレーキを踏もうかとか、そう考えるようにしたら集中することができるようになり「もしこうなったら」ということは考えなくなりました。でも、まだまだ改善の余地があると思ってます。
オートクラブ

2021 F1 Scuderia AlphaTauri

――フィジカル面では? 角田:ヤングドライバーテストで最新のF1マシンに乗りましたが、ブレーキングがすごいと感じました。F2では首が前に行くことはなかったけど、F1では踏力をあげたときに首が前に行くので、首の筋肉の強化をしたいです。 ――今シーズンの目標は? 角田:シーズン中盤まではルーキーらしいドライビングを貫いて、ミスをしてもいいから限界値を探りながら自分の走りに磨きをかけたい。チームメートのガスリー選手は経験豊富ですから、彼から学べることやいいところを吸収して、一戦一戦自分の引き出しを増やしていきたい。結果、簡単ではありませんが彼を負かすシーズンにしたいと思ってます。 ――F1で実現したい夢は? 角田:自分としては10年後でもF1の世界に残っていたいので、実力を見せつけて優勝もチャンピオンも何度も獲らないといけないと思います。野望としては、ルイス・ハミルトン選手(メルセデスAMG)の7回ワールドチャンピオンを抜きたい。2035年までに実現できればうれしい。 ――注目してほしいところは? 角田:自分の強みは攻める姿勢だと思っているので、迫力があるドライビングには自信があります。F1にしかない速さや今まで見たことのないコーナーリングの速さを見てほしい。コロナで今は厳しい状況ですが、10月には鈴鹿で日本GPが予定されているので、ぜひ足を運んでください!

角田裕毅ってどんなヤツ?

 ヨーロッパに渡ってわずか2年でF1シート獲得。身長160㎝、童顔。その見た目とは裏腹にF2で見せたアグレッシブなドライビング。いったい彼はどんなヤツ? オートクラブ レッドブルオーディション以来、F3、F2と2年以上ほぼ毎レースごと彼に取材してきたF1ジャーナリスト米家峰起氏に聞いた。 「F1昇格決定後の会見コメントの表面的な部分だけを捉えて、コイツはすごいとかメンタルも強いという印象を受けるかもしれませんが、基本的に彼は『ええかっこしぃ』なところがあります(笑)。  盛って言いたがるところがありますが、彼の置かれた環境からも今までで一番期待できる日本人F1ドライバーであることは間違いありません。アルファタウリはルーキーとしていろんなことを学ぶにはいいチーム。  そしてみんなが乗りたくてしょうがない勝てるトップチーム、レッドブルはすぐそこにある。過去の日本人F1ドライバーにはなかったことですから」  今シーズンの活躍次第ではレッドブル入りも夢じゃない? 「全然夢じゃないですね。ホンダが参戦終了して角田クンのはしごを外すとか言ってる人がいますが、レッドブルには関係ない。勝てるドライバーだったら乗せるチームですから。ガスリーを完全に上回る走りを見せたら間違いなくいいドライバーの証明。レッドブルにいけるでしょうね」  F1は3月28日のバーレーンGPで開幕する。
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予選一発が速い!
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