仕事

コロナ貧困のキャバ嬢が昼の仕事を探すも…待っていた厳しい現実

家賃が払えず実家に帰る

 しかし、中には収入が1/10まで落ち込んだと話すキャバクラ嬢も。現在、大阪で派遣キャバ嬢として勤務するユリカさん(仮名・30歳)だ。 「元々はミナミのキャバクラと宴会コンパニオンを掛け持ちして月50万円ほど稼いでいたんです。宴会コンパニオンの時給が7000円でさらにチップがもらえるので稼げたんですよね。それがコロナの影響で宴会はすべて中止になり、コンパニオンの収入はほぼ0円に。キャバクラのほうもどんどん出勤を減らされていき、最後はクビ状態に。ミナミの1LDKのマンションに住んでいたのですが家賃が払えなくなって奈良県の実家に帰ってきました。  家の近所にはキャバクラとかがほとんどないので、今は派遣キャバクラに登録して呼ばれたときだけ大阪に行く……という感じです。でも、どこも厳しく呼ばれるのは週1、2回程度です」

夜の世界の格差はさらに広がる

hinkon 貧苦に喘ぐのは若い女性だけではない。「コロナによって貧富格差がはっきりした」と語るのは都内の熟女キャバクラに勤務するナナコさん(仮名・38歳)。 「コロナ禍で店が暇になっても、お客さんの愛人になって家賃やお小遣いを出してもらっているキャストはいます。中には、これからはキャバクラは不況になると早めに見切りをつけてお客さんと結婚したキャストも。その一方で、客を持っていないキャストは出勤や時給をカットされて風俗で働くという子も少なくありません。私は昼との掛け持ちなのですが、時短営業になると夜出勤できなくなってしまうので厳しいです。今回の緊急事態宣言を受けて、夜の世界の格差はさらに広がると思いますね」  ライブ配信などで稼ぐキャバクラ嬢はほんの一部で、夜の世界に生きるほとんどの女性がコロナ不況の煽りを受けて苦しんでいる。「夜の街」として名指しするのであれば、働くキャストにも対しても休業手当などの対策を政府は進めるべきだと思った。<取材・文/カワノアユミ>
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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