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タクシーで長距離乗車するのってどんな人?東京ー新潟を往復をしたツワモノも

ロシア美女を連れて東京-新潟を往復

「10年以上前のことなんですが、都内のホテルに付けていたら外国人の女性を3人連れた方が来て3人を新潟まで乗せてくれって。3人ともロシア人で、新潟空港から帰国するからって言うんです。それで、新潟空港に着いたら向こうで待ってるのがいるから乗っけて連れて帰ってきてくれと。 当時の運賃で新潟までは片道12万円くらいだったかな。往復で25万円くらいだったのを覚えてます。話を聞いたら、ロシアンパブで働いていたコたちで新幹線で新潟まで行って、そっから空港まで行くのが面倒だし、今度は入れ替わりで来たコたちは日本語できないから東京まで来られないからだって」(都内個人タクシーのドライバー・64歳)  美女たちと道中、かなり面白かったのでは……と聞くと、意外な答えが返ってきた。 「新潟までの行きは面白かったですよ。音楽かけながらホステスのこととかいろんな話を聞いたりして。でも、帰りは辛かった。やって来たコたちは日本語話せないし、みんな初対面。おまけに英語がまったく通じない。タクシーの運転手って外国人をよく乗せるから、ちょっとした英語を使える人って多いんです。でも、あの時は本当に何にも通じなかった(笑)。サービスエリアでトイレ休憩するのもままならなかったよ。おまけに初対面同士だから、みんな無口でさ。すごい緊張感が車内に張りつめてた」  男性は無事に都内某所に女性たちを送り届け、運賃とは別にチップで3万円もらったという。

訪日外国人客は長距離乗車のお得意様

 また、一昨年までは訪日外国人客が長距離乗車するケースが多く、空港や名所に乗せて行くことが多かったとこのドライバーは言う。 「都内のホテルから成田や羽田の空港までって外国人の方は珍しくなかったですね。やっぱり電車とかバスは不安なんでしょうね。こんなオイシイこともありましたよ。都内のホテルから羽田空港まで外国人の方を乗せて、そのまま付け待ちしてたら今度は横浜まで。こちらも外国人の方でした。それで都内に戻ろうとしたら、今度は羽田までっていう外国人の方が声を掛けてきたんです。私たちは営業区域が決まってて、都内のタクシーは横浜でお客を乗せちゃダメなんだけど、都内に行くお客さんは乗せていいんです」  さらにこの話、最後にまたしてもオイシイ出来事があったという。そのまま羽田で付け待ちをしたところ、今度は世田谷の成城までお金持ち風の老夫婦を乗せていったとのだとか。「あの日は何一つ無駄がない一日でしたね」と笑顔で話してくれた。  コロナが落ち着き、タクシーに乗る人が増えて欲しい……。タクシーに乗るたびにドライバーの方たちの悲痛な思いを聞く昨今。一日も早く利用客が戻ってきてほしいものである。
愛知県出身。スポーツからグルメ、医療、ギャンブルまで幅広い分野の記事を執筆する40代半ばのフリーライター。
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