更新日:2021年03月01日 20:52
仕事

名作アニメ、制作現場は人手が足りない? SNSでの募集告知が話題に

制作が間に合わず謝罪や返金も……

アニメ制作

※写真はイメージです。

 人手不足でやむなく広く人材を求めるとしても作品名は明らかにしない。その理由は、余計な騒動を避けることに尽きる。近年、製作途中で人材募集を告知して話題になった作品といえば2013年にテレビアニメが放送された『進撃の巨人』である。今は原作が最終回に向けて盛り上がっているが、原作が高い評価を得ての待望のアニメ化は、CGを駆使した立体機動装置の演出や、Linked Horizonの主題歌『紅蓮の弓矢』によって大いに注目された。  ところが、第1話の放送直後に総作画監督・浅野恭司がTwitter上でアニメーターの募集を訴えるツイートを投稿。その後、一部の放送回では未完成のまま放送することになり、公式サイトには謝罪文が掲載されることになった。それでも『進撃の巨人』の場合はなんとか難局は乗り切ったといえる。なにしろ、これまでも人手不足やスケジュールの遅延などの要因が重なって最悪の事態を引き起こしたことで伝説となっている作品は、いくつも存在するのだ。

納品できずに2週連続同じ話を放送

 スケジュール破綻から下請けに丸投げする最悪の玉付きで、放送に耐えられる代物ではないまま放送してしまった『ロスト・ユニバース』(1998年)。第6話が放送日までに納品できずに第5話を2週連続で放送する事故を起こして打ち切られた『GAD GUARD』(2003年)などは、よく知られている。  1999年に公開されたアニメーション映画『ガンドレス』では、丸投げが繰り返された末に大半が未完成ということが公開2日前の初号試写で明らかになるという前代未聞の事件が発生。前売り券は返金、後日完成版を送付することとなり伝説となった。
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あの名作も制作が間に合わなかった
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ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿。著書に『コミックばかり読まないで』『これでいいのか岡山』

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