ニュース

「プールの水出しっぱなし」事件が今年も続出。13日間出し続け「約300万円の損害」を出した小学校も

覚えているだろうか?昨年の夏、川崎市の小学校で起きた“プール水出しっぱなし事件”を。教員が水を止め忘れて、プール6杯分もの水が流れ出してしまい、なんと190万円もの損害が出たという、あの大騒動だ。「こんなミスで教員が賠償金を払わされるなんて!」と、全国で大きな話題になった。 あれから1年。さすがにあれだけネットを騒がせたのだから、今年は、全国の学校で気をつけているだろう……そう思っていた方、残念ながら甘かったようだ。なんと今年も、プールシーズンが始まったばかりなのに、すでに全国各地で「水出しっぱなし」や「栓し忘れ」事件が続々と発生しているのだ。
学校 プール

画像はイメージです

大阪府大阪市:週末をはさんで61時間出しっぱなし

まずは大阪市から参ろう。2024年6月28日から7月1日にかけて、大阪市立矢田北小学校で驚くべき事件が起きた。なんと61時間も水を出しっぱなしにするという離れ業を披露してくれたのだ。6月28日金曜日の正午から7月1日月曜日の午前1時まで、ずっと水が流れっぱなし。 雨で中止になった授業のために注水し始めたものの、止めるのを忘れてしまったという。まるで、梅雨明け前の長雨のように、延々と水が流れ続けたわけだ。この間、教職員は誰一人として異変に気付かなかったようだ。ちょうど土日を挟んでしまったのも災いした事件。栓を閉めるのを忘れていたのを思い出した時には、どんな気分だったのだろうか。

東京都江戸川区:ひと月で2つの小学校が…

次は東京都江戸川区だ。ここでは、2024年6月だけで2つの小学校が水を出しっぱなしにしてしまっていたようだ。 南小岩第二小学校では、6月19日水曜日、教諭が水を入れ始めたまま帰宅してしまい、約20時間後の翌20日木曜日の朝まで気づかなかったという。プール約2.7杯分、690立方メートルもの水があふれ出た。この小学校では、出しっぱなしになることを防ぐために、マニュアルで職員室に「注水中」の掲示をすることを定めていた。しかし、当の教諭は掲示をしていなかった。しかも、この教諭は、副校長に水を入れていることを報告していたが、副校長も掲示を指示しなかったという。どんなに忙しかったり、面倒くさくてもマニュアルから外れた作業をしてはならない。典型的な「現場猫」案件といえるだろう。 一方、東葛西小学校では、6月6日木曜日の朝から昼にかけて、4時間の出しっぱなしで70立方メートルの水が無駄になっている。こちらは、報告を受けていた副校長が気付いたために、被害は最小限に抑えられたのである。 ともあれ、この件で無駄になった水道代は2校合わせて約51万円。1ヶ月の間に2回も水を出しっぱなしにしてしまった江戸川区。3度目がないことを祈りたい。
次のページ
石川県小松市:13日間出し続け、約300万円の損害
1
2
3
ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿。著書に『コミックばかり読まないで』『これでいいのか岡山』

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ