ライフ

異色のボクサー・ジロリアン陸「何万円のステーキより、ラーメン二郎が食べたい」

1か月で15キロも落とす地獄の減量生活

ジロリアン陸

地獄の減量生活が待ち受けていようが、ラーメンはやめられない

――ラーメンとプロボクサーの減量の両立って、実際にできるものですか。 「普段は全く節制してないんで、試合前になんとかします(笑)」 ――そうなると、減量って地獄ですよね。一番壮絶だった減量はどのくらいの期間で何キロだったんですか? 「普通のボクサーだと、1か月で7から8キロくらいだと思うんですけど、僕は15キロということもありましたね」 ――ラーメンでついた体重ってどんな方法で落としているのか気になります。 「以前はただ体重を減らせばいいというやり方だったんです。でも、それだと筋肉も落ちちゃうので、今は食べたものとカロリーとタンパク質・脂質・炭水化物の量まで全部記録して管理しながらやってますね」 ――そもそもなんですけど、「ラーメンやめたらもっと楽なのに」って思うことはありませんか? 「それはめちゃくちゃありますよ。でも、ラーメンやめるならボクシングやらないです。そのくらいラーメンが好き」 ――でも、減量中は大好きなラーメンを食べられない。そんな辛い時はどうやって自分をごまかしてるんですか? 「ラーメンの画像を見ます。もう、頭おかしくなるくらい食べたいので、画像見ながらひとりで笑っちゃってます(笑)」 ――じゃあ、溜まったラーメン欲が試合後に爆発したらすごい。 「計量をして翌日に試合をして、試合の翌日に好きなだけ食べたら、その2日で14キロ増えたことありますね。あれだけきつい思いをして減量しても、戻るのは簡単です」

ラーメン屋をやるという選択肢はない

ジロリアン陸

ラーメン屋をやるという選択肢はない

――ラーメン屋を作りたいという気持ちはないんですか? 「う~ん、いろんな店主さんの話を聞いてると、自分にはできないなと思いますね。ラーメン屋さんは本当に大変なんですよ、なのでラーメンに対しては作る方は全く考えていなくて、ずっとファンである気持ちです」 ――時間とお金が無尽蔵にあったら何をしたいですか? 「東京のラーメンはよく食べるんですが、旅行とかもあんまりいく機会がないので、全国のラーメンを食べ歩きたいですね」  どんなに減量が辛くても、ラーメン、そしてラーメン二郎はやめられない。日頃から大好きな物を我慢せず堪能し、命がけで減量、そしてリングに立つ。インタビューから見えてきたものは、二律背反するふたつのものを愛してしまったジロリアン陸さんの、止まらない想いだった。<取材・文/Mr.tsubaking 撮影/鈴木大喜>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
1
2
おすすめ記事