更新日:2021年04月14日 18:27
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ミリオンゴッド凱旋撤去拒否&沖ドキ再設置…自主撤去に異を唱えたパチンコ店の言い分

ミリオンゴッド凱旋&沖ドキの設置は違法ではない

 ただし注意しなければならないのは、現在も凱旋を設置しているのは違法ではないという点。経過措置が1年延長されたことで認定期間(※3年の検定期間を過ぎた後でも最長3年間、営業に使用するためにホールが申請する手続き)はまだ終了しておらず、業界の自主規制を逸脱しているという道義的な話はあっても法的には全く問題がないのだ。もちろん行政側はこうした事態を好ましいと思っているはずはなく、業界全体で決議したはずの自主規制を守れないものとして考えているだろう。そもそも業界団体側の自主規制には行政側の意向が強く働くものだけに、結果的にはより強い規制が行われる可能性も否定できない。だからこそほとんどのホールは不満があっても、足並みを揃えて撤去してきたのだ。  自主規制に従わないホールには業界としてのペナルティも検討され、実際に新機種が買えないなどの動きも見られる。ただしメーカーが強制的に新機種を売らないといった措置には法的問題もあり、実効性があるペナルティとはなっていないのが現実。ホール団体側も凱旋の設置が法的に問題がない以上、下手に訴訟を起こしたら返り討ちにあってしまうというジレンマもあるようで、今なお「仮に低設定ばかりでも、やっぱり打っちゃいますよね」(パチスロファン)として稼ぎ頭で活躍し続けている。

緊急事態宣言時の対応に問題がある!?

「そもそも、この問題は昨年春の緊急事態宣言時の対応にあるようです」と、この問題を分析するのは都内某ホールの店長。「緊急事態宣言でも営業を続けていたホールがいくつかありましたよね。そこに対して、業界団体がなんら実効性のあるペナルティを与えなかったのを見て、それならやったもの勝ちだろっていうことになったそうです」。  緊急事態宣言下で営業していたホールはワイドショーでも大きく取り上げられ、業界全体へのバッシングにつながったことは記憶に新しい。それ以降、業界団体としてはイメージの回復に取り組んでいるが、槍玉に挙げられたホール、つまり他のホールが休業中で多くの客を集めたホールへのペナルティは特に行われていない。これを見て、それならと考えるのは自然の流れでもあり、仮に批判を集めたとしても凱旋を設置しての営業はそれだけ大きなアドバンテージにもなるのは間違いない。  凱旋を設置しての営業が業界内では問題になっても、一部ファンからの支持を集めてしまったことは、全国的にも波及している。それが中部地方や北関東地方のホールで散見される、『沖ドキ!』の設置だ。沖ドキ!は本来なら今年の正月開けのタイミングで撤去される予定だったが、やはり設置期限の延長(※一部地域では認定のタイミングで延長不可)によって設置していても問題がない状況になっている。そしてこれ幸いと、いったん撤去しておきながら再設置するホールまで現れている。
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自主撤去に異議あり!
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ライターとして25年のキャリアを持つパチンコ大好きライター。攻略誌だけでなく、業界紙や新聞、一般誌など幅広い分野で活躍する。

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