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親1人の介護費用は、想定500万円。介護破産しないために準備すべきこと

今春、話題を集めたドラマ『俺の家の話』では、長瀬智也演じる中年レスラーが父親の介護と向き合う姿が何度も映し出された。ドラマほど劇的ではないにせよ、老いた親と向き合うのは、「あなたの家の話」かもしれない。まだ元気な親でも、介護やさらに死後に向けての準備は必要だ。いつかは来る「親の死」にどう備えるべきか。

聞きだしづらい「親のカネ」をどうやって把握すればいい?

介護 親の老後を考える上で、避けては通れないのがお金の問題だ。週刊SPA!が現在介護をしている40、50代の男女200人に行ったアンケート調査で「お金の悩み」を聞いた結果でも「将来的にいくらかかるのか見当がつかない」(127人)、「月々の介護費用負担が大きい」(57人)、「親の貯金額などが把握できていない」(46人)という声が多かった。  老後資金問題に詳しいFPの髙橋佳良子氏は、「介護者1人につき500万円は想定しておくべき」と話す。 「施設に入るにしろ在宅介護にしろ、介護費用は莫大です。時にはおむつ代に月5万円かかることさえあります。まずは親の現状の資産を把握し、年金収入を差し引いた持ち出しでどれだけ介護費用が賄えるかを確認しましょう」  親のカネを聞くのは気が引ける人も多そうだが、「そんな時は自分の資産を紙に書き出して“見本”を用意し、同じように書いてもらうと親も納得しやすい」という。
介護

対象/親の介護をする40、50代男女200人(調査期間は3月25~30月)

認知症が進む前にやっておくべきお金の準備

 ほかにも、認知症が進む前にやっておくべきお金の準備は多い。 「まずは銀行預金の場合、ATM操作時に認知症を疑われると口座が凍結される恐れがあります。そこで『代理人カード』を作っておけば、万が一の時にも預金者本人に代わって親族が出入金できます。  また、ゆうちょや共済預金を使う高齢者も多いですが、その場合は一緒に窓口に行って職員に顔を覚えてもらうのも、実は効果的です。  その他の資産は基本的に郵送物で確認します。株や投資信託は取引残高報告書、不動産なら固定資産税納税通知書が送られてくるので、それらすべてを1か所にまとめて保管しておくと、いざという時に探す手間が省けます」  ほかに資産別に注意点もある。 「例えば株式や投資信託は認知症が進行したら売買が停止されます。なので『何歳になったら現金化する』と決めておいたほうがいいですね。保険金の場合、受け取り時効は一般的に3年です。  どんな時にいくら出るのかは、一覧表にしておくこと。盲点になりがちなのが、タンス預金や未上場株です。本人以外は知らないというケースも多いので注意してください」
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「デジタル終活」にも事前準備が必要
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週刊SPA!4/20号(4/13発売)

表紙の人/ 櫻坂46

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