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親1人の介護費用は、想定500万円。介護破産しないために準備すべきこと

「デジタル終活」にも事前準備が必要

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写真はイメージです

 また、近年認知されてきているデジタル終活にも事前準備が必要だ。弁護士の伊勢田篤史氏が話す。 「使っているサービスのすべてのIDとパスワードをリスト化しておくのが理想ですが、相当な手間がかかります。そこで最低限やるべきは、端末のログインパスワードを知っておくことですね。死後にパソコンやスマホにログインできなくなり、業者に依頼すると費用が数十万円以上かかり、期間も半年以上かかる可能性があります」  ちなみに、親の生前からネット金融機関などのアカウントまで直接管理するのは「規約違反に当たる可能性もあるのでやめておいたほうがいい」という。 「親の資産を把握するには預貯金のほか、クレジットカードの利用明細などから生活状況を把握するといいでしょう。複数のクレジットカードを利用している場合には、一枚にまとめておくと管理しやすくなります。その後、認知症が進行してしまった場合には、クレジットカードを解約して現金の手渡しにするという形も考えられます」

相続に備えて今から準備しておくことは?

 では、死後の相続に備えて今から準備しておくことは? 「相続は大なり小なり必ず揉めると覚悟することですね。生前から親のお金を管理するのであれば、現金出納帳をつけたり、かかった介護費用などを領収書付きで管理したり、親の資産の増減を“透明化”しておくこと。そうすれば揉め事を少しは軽減させられるはず」  親のお金を把握し、相続が“争続”にならぬよう用心したい。
髙橋佳良子氏

髙橋佳良子氏

【ファイナンシャルプランナー・髙橋佳良子氏】 ライフアンドマネークリニック代表。三世代充実生活研究所所長。’07年には金融庁から金融知識普及功績者表彰を受ける。終活に関する講演や研修などに従事
伊勢田篤史氏

伊勢田篤史氏

【終活弁護士・伊勢田篤史氏】 日本デジタル終活協会代表理事。’16年より「デジタル終活」の普及活動を開始。『あさイチ』(NHK)や『WBS』(テレビ東京)などテレビ出演も多数 <取材・文/週刊SPA!編集部> ※週刊SPA!4月13日発売号の特集「親が死ぬ前にやることリスト30」より
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週刊SPA!4/20号(4/13発売)

表紙の人/ 櫻坂46

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