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最も速い馬が勝つ皐月賞。予想のカギを握るマイル適正がある馬は?

マイル適正がある馬に有利!?

 前後半の差があまりない3速の適性が問われやすい条件になりやすいレースがあります。それは、2000mより短い距離、特にマイル戦なのです。  過去5年の勝ち馬の内、2017年アルアイン、2018年エポカドーロ、2019年サートゥルナーリアの3頭がマイル戦で勝利という実績を持っており、2016年ディーマジェスティと2020年コントレイルは1800mで道中からハイペースを刻んだレースで勝利経験がありました。これは馬場状態が違っても変わりありません。逆に人気で敗れた2017年ファンディーナやスワーヴリチャード、カデナや2020年サトノフラッグは中距離で実績を残した馬たちでした。  つまり、皐月賞の「最も速い馬が勝つ」というのは、マイル戦に適性のある馬に向く条件であるという事を示していたというわけです。

今年の皐月賞で最も速い馬はあのレースに潜んでいる!

皐月賞 おそらく人気を集めるのは年明けの重賞で結果を出してきた馬たち。しかし、今年に入ってからの主要レースはほぼ少頭数、かつ、スローペースばかりでした。直線のトップギア比べでは強そうな馬も多いですが、道中のペースが速くマイル戦のような適性が問われる「最も速い馬が勝つ」皐月賞に向く馬は、直前のトライアルではない別のレースに潜んでいると見ています。 3速指数1位・03番ステラヴェローチェ  そのレースはレコード決着となった昨年の朝日杯FSです。道中3ハロン換算タイム34.1秒に対して上がり3ハロンが35.4秒と追走スピードが求められたマイル戦でした。このレースこそ、今年の皐月賞を占う上で最重要のレースと予想します。  そして、このレースで上がり最速を記録して2着に追い込んだ同馬。直線では捌きに手間取るロスもありましたし、道中速いペースを追走して末脚を伸ばせる能力はまさに皐月賞向きのレースでした。今回人気が予想されるエフフォーリアに前走の共同通信杯で敗れていますが、スローペースで後方から直線不利。ロスなく立ち回った勝ち馬とは雲泥の差で、皐月賞が舞台なら巻き返しは十分考えられます。  指数的にも抜けていますし、今年の皐月賞は同馬を中心視したいです。 3速指数2位・16番レッドベルオーブ  先ほど挙げた朝日FSの3着馬で、マイルで実績を残している馬です。上がりが3位だったのでステラヴェローチェの方が評価は上になりましたが、他にもレコード決着のデイリー杯2歳Sを勝利するなど3速レースで好成績を残している点は評価できます。  ラチを頼るタイプなので大外枠という点は気がかりですが、皐月賞の適性は高いと見ています。 3速指数3位・08番ダノンザキッド  昨年のホープフルステークスは2000mの中距離戦でしたが、道中3ハロン換算タイム36.9秒に対して上がり3ハロンが36.8秒。マイル戦に似たレース質となりました。同じようなパターンとして、道中のペースが速くなった中距離戦を好走して皐月賞でも結果を出した馬に2018年2着サンリヴァルや同年3着ジェネラーレウーノがいます。中距離戦でも道中と上がりの差を見ることでマイル的な適性が問われたレースを判断できます。  前走のディープインパクト記念弥生賞はスローペースで差し届かなかったのは度外視して問題ないでしょう。  エフフォーリアを筆頭にスローペースしか経験していない馬が多く、有力馬に未知数な部分が多い今年の皐月賞。それだけに波乱の可能性も十分考えられます。今年は主要ステップレースを負けた馬にチャンスがある年だと予想します。 <文/安井涼太>
各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
Twitter:@RyotaYasui

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(秀和システム)

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