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「優しくするとナメられる」はもう古い。若手に好かれる「共感力」とは

貫く信念に若手が共感

イケてる中年 若手に共感するというより、逆に若手から共感され、尊敬される。そんな人物が、私立高校のベテラン教諭・武田裕二さん(仮名・52歳)だ。武田さんを慕う30代教師は、こう熱弁する。 「私が赴任した際も、指導教官に手を挙げてくれました。武田さんがスゴいのは、学校に対して厳しい意見もズバズバ言うこと。例えば、問題となっていた一部ベテラン教員の態度を改めるため、企業向けのパワハラ研修を定期的に行うように提案してくれた。  上の人間からは煙たがられていますが、若手が“校長・教頭になってほしい先生”として勝手に支持しているので、認めざるを得ない状況があります」

教育現場で昇進。民間出身の若手がとった行動とは

 そんな武田さんは、実は元会社員。夢を捨てきれず、脱サラして教育現場に飛び込んだが、厳しい現実に直面したという。 「転職して一番驚いたのは、学校という閉鎖空間の時代錯誤で保守的な体質。いじめなどの問題の責任をなあなあで済ませたり、職員間でひどいハラスメントが横行していたり。希望をもって転職した自分は愕然としました」  その状況を、どうやって打破してきたのか? 「たしかに、自分一人がいきり立ったところで何も変わらない。特に民間出身だと異分子扱いで、どうしても浮いた存在になります。だから、まず目の前の仕事に全力で取り組みました。また、クレーム対応など他人が嫌がる仕事を積極的に買って出た。元は営業マンだったので、クレーム対応には慣れていましたしね」  今では教頭に次ぐポジションにまで押し上げられた武田さん。「せっかく教師になったのに、自分で自分を損ないたくなかった」と語る背中と貫いた信念が、後輩の共感と尊敬を集め、着実に実を結びつつある。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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