『街録ch』三谷三四郎×大森靖子 人の人生を輝かせてきた二人が語る、社会規範の未熟さ
東野幸治や千原ジュニアなどの芸能人から「娘を育てるためゲイに体を売る男性」「和歌山カレー毒物事件 林眞須美死刑囚の息子」まで、多様なバックグラウンドを持つ人々に街頭で淡々とインタビューするYouTubeチャンネル『街録ch-あなたの人生、教えてください-』。2020年3月のチャンネル開設から右肩上がりで登録者数を増やしており、現在は32万人(2021年5月現在)と人気を集めている。
その仕掛け人でもある元テレビディレクター・三谷三四郎氏は、チャンネルの主題歌を、かねてより親交のある大森靖子氏に依頼。「猛れ 猛れ 猛れ」というはじまりが印象的な「Rude」が誕生した。曲が誕生するまでの背景と、さまざまな人の人生に目を向け続けてきた二人がいま気になっている話題を聞いた。
――まず、お二人の出会いから聞きたいなと。
三谷:僕が一方的に大森さんを知っていた感じです。最初はiTunesにたまたま出てきて、「ああいい曲だな」って思ってから、どんどんとハマっちゃって。以前、フジテレビの番組を担当していて、よく局を出入りしていたんですが、近くのZepp Tokyoでライブをやっているときに抜け出して見に行ったり。ただのファンでしたね。
大森:私はなんとなく「フジテレビの番組やっている人」っていう印象だった(笑)。『ラストアイドル』の審査員をしていたときに、テレビ放映用に密着Vみたいのを撮る必要があって。それぞれ、審査員個別にディレクターがつくんですけど、ピエール中野(※大森氏の夫)の担当が三谷さんで、「ずっと靖子ちゃんの話をしてたよ」って聞いて。それで徐々に存在を認識していった感じです。
――いきなりではなく、関係性に段階を踏んでのコラボレーションだったんですね。
三谷:いつか自分のテレビ番組を持ったら、絶対に主題歌をお願いしたいっていううっすらとした夢はありました。結局、それがYouTubeチャンネルになって、ちょっとずつ登録数が増えてきて、「あれ、これ作ってくれないかな」と思って。
とはいえ、そのときは登録者が1500人ぐらいだったんで、申し訳ないじゃないですか。だから1万人を超えた段階でお願いしようと。その手前ぐらいで、マネージャーさんに温度感を探ってみたら、できなくはないことが判明して「ぜひ交渉させてください!」みたいな。
大森:「なんだ早く頼んでくれればいいのに」って思ったけど(笑)。でも1万人を突破して作ることによって、それまで街録chに出てきた人の人生をより反映させることができたから、そのタイミングでよかったのかなと。
三谷さんって、人の変なところっていうかあぶれてる部分を魅力的に演出するのが上手で。自分が歌で実現したいことと繋がってるんです。プロデュースしているZOCのソロインタビュー動画も、三谷くんに作ってもらったりとかしていて。
――曲のオーダー的には、「喋ってるおじさんの後ろで流れているだけで泣きそうになる曲」みたいな、かなりざっくりしたオーダーだったみたいですね。
三谷:そうですね。毎回大森さんの新曲聴くたび、自己ベスト更新してくるから、僕がどうこう細かく指示するのも違うかなと。コンセプトだけ伝えれば、もういいものが上がってくるだろうというのは、確信がありました。
テレビ番組って、曲に助けられることが結構多くて、感動的じゃないようなシーンでも、バックで流せば一気に盛り上がる。『ザ・ノンフィクション』だって「サンサーラ」のおかげで得してる感じもありますよね。『街録ch』も曲の力を借りて、クオリティーを上げていこうみたいな下心も正直ありましたね。
人の変なところを魅力的に演出する
「いいものが上がってくるだろう」という確信があった
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大学を卒業後、土方、地図会社、大手ベンチャー、外資など振り幅広く経験。超得意分野はエンタメ
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