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東海林のり子の人生を揺るがした、阪神淡路大震災「しんちゃん」との出会い
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投稿日:2021年05月28日 08:49
東海林のり子の人生を揺るがした、阪神淡路大震災「しんちゃん」との出会い
長谷川晶一
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長いリポーター人生で初めて訪れた至福の瞬間
そして、入院先の病院で少年の父親を見つけることができた。東海林は少年の安否を尋ねる。父は安堵の表情を浮かべながら、「ICU(集中治療室)に入っています」と口にした。そして、しんちゃんは一命をとりとめた。 「ICUに入って、懸命の手当てを受けて、しんちゃんは助かりました。このときお父さんに、『東海林さんが一緒に見守ってくれたから、しんちゃんは助かったんですよ』って言われました。この言葉は、長いワイドショー取材の中で、いちばんのご褒美でした。普段は、『邪魔だ』って邪険に扱われているのに、このときは私たちのことを単なる取材者という目で見ていなかったわけだから。本当に嬉しかったな」 20年間に及ぶ、長いリポーター人生において、初めて訪れた至福の瞬間だった。辛く、厳しく、痛ましい出来事ばかりが繰り広げられていた事件、事故現場において、心から安堵し、喜べた瞬間だった。しかし、この阪神淡路大震災をきっかけに、東海林はリポーター生活の幕を自ら降ろすことを決意するのだ。
テレビの限界を悟った瞬間
震災当日に現場入りして、無我夢中でリポートを続けて1週間が経過した。いったん、東京に戻ったものの、大惨事の爪痕はいまだ癒える気配がない。甚大な被害を受けた被災地の惨状はさらに明らかになり、被災者の心の傷はより深くなり、地震で亡くなった人々の命は戻ってこない……。東海林は自問する。 (あれだけの惨状を、そして今も続く現状を、私たちはどれだけ伝えることができるのだろうか……) このときの心境を東海林が振り返る。 「果てしない瓦礫の山を目の当たりにし、おびただしい数の棺が運ばれていく様子をこの目で見ました。そうした光景を、一生懸命リポートしました。でも、どんな言葉を添えようとも、どれだけの言葉を費やそうとも、この惨事のすべてを伝えることはできないんだ……。そう、気づかされたんです」 1985(昭和60)年8月12日の日航機ジャンボ機墜落事故の現場にも行った。その3年前となる’82年2月8日未明に起きたホテルニュージャパン火災の現場にも駆けつけた。少年犯罪が注目されるきっかけとなった金属バット両親殺害事件や東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件など、さまざまな事件のリポートをした。 決して、順風満帆だったわけではない。何度も困難な壁にぶち当たった。それでも、日々やりがいを感じていたのに、このとき初めてテレビの限界を感じたのだ。 「どんな事件にも、どんな事故にも、自分なりに真摯に向き合ってきた自負はあります。でも、阪神淡路大震災の現場を経験して、もうこれ以上、悲惨なことに出会うことはないだろうという思いが芽生えました。私たちが伝えられることは何なのか? テレビは何をできるのか? そして決断したんです……」 40歳のときにリポーターとなってから、すでに20年が経過していた。60歳を機に、東海林は決断をする。事件リポーターからの引退を――。 (第5回に続く) 取材・文/長谷川晶一(ノンフィクションライター)撮影/渡辺秀之
長谷川晶一
1970年、東京都生まれ。出版社勤務を経てノンフィクションライターに。著書に『詰むや、詰まざるや〜森・西武vs野村・ヤクルトの2年間』(インプレス)、『中野ブロードウェイ物語』(亜紀書房)など多数
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