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『ウマ娘』ブームの裏で急増する見学者のマナー違反。牧場側の本音は

牧場見学の9箇条

競走馬のふるさと案内所

画像は、「競走馬のふるさと案内所」の公式サイト

 牧場見学データベース「競走馬のふるさと案内所」の公式サイトでは、「牧場見学の9箇条」を掲げている。 1.見学の可否は競走馬のふるさと案内所にお問い合わせください。 2.見学時間は競走馬のふるさと案内所までお問い合わせください。 3.牧場では牧場関係者の指示に従ってください。 4.厩舎や放牧地に無断で立ち入らないでください。 5.大きな音や声を出さないでください。 6.危険ですから絶対に馬にさわらないでください。 7.牧場内は禁煙です。 8.カメラのフラッシュはご遠慮ください。 9.絶対に食べ物を与えないでください。 「競走馬のふるさと日高案内所」の河村伸一さんは、「あくまで牧場のご厚意で見学を受け入れていただいているので、この馬に会いたいという目的を持って訪問いただきたい。特に生産牧場(サラブレッドの繁殖を目的とした牧場)ではすべてが馬優先ですからね」と語る。  見学希望の際は「競走馬のふるさと案内所」にまず問い合わせるのが正式なマナーだが、最近は、牧場に直接連絡してしまう人々が増えているらしい。

“観光牧場”ではない

競走馬 2~7月頃の繁殖シーズンは、ただでさえ多忙な時期であるため、そもそも見学中止にしている牧場も多い。そのような問い合わせがあまりに多いようだと、今後一切の見学中止という状況にもなりかねない。 「どうやらインターネットで電話番号を調べて、直接そこに電話をかけてしまっているようです。ですが、牧場は1日のスケジュールがしっかり決まっていて、私たちでさえ電話NGとしている時間帯があります。悪気はなくとも、牧場に直接電話をしてしまうというのは一番のマナー違反なんです。  繰り返す通り、やはり観光牧場ではありませんので、『お邪魔させていただく』という姿勢を忘れずにしていただけると助かります」(河村さん)  気楽に訪問できる観光牧場のイメージしか持っていないと、実際に牧場を見学したとき、どうしても至らない場面が出てきてしまう。「ただ見学したいだけなのに調べることや覚えることが多い」と感じるかもしれないが、厳しい競走馬の世界をのぞくためには、見学者もある程度の苦労を背負う必要があるようだ。 <取材・文/原田イチボ(HEW)>
1990年生まれ。編集プロダクション「HEW」所属のライター。アイドル、プロレス、BL、銭湯サウナが好き。Twitter:@ichibo_h
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