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豆菓子は油を使わないヘルシーな嗜好品。製造工場を見学してきた

美味しさの秘訣は職人による味付け

豆の蔵元

熟練の技が光る豆職人、林さん。繁忙期には500kg近くの豆を混ぜる事も

 下準備ができた豆は、焙煎機でじっくりと熱を加えて豆菓子を焙煎します。一定の火力に保たれた専用機の上をエア圧で定常回転させたふるいで焙煎。仕上がり加減のタイミングはやはりその日の気温や湿度、製造する菓子の種類で調整。ここも熟練の職人の技が光る重要な個所となっています。
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焙煎のタイミングは非常に難しい。気温や温度、湿度に作用されるので完全機械化は出来ない

出来上がった菓子はプレーン状態なのでここから味付け作業。食べたときの美味しさの秘訣は職人による味付け。筆者が取材していた時はちょうどワサビ味を作成しており、ワサビ味の原料を味見させてもらったが、鼻にツンとくるレベルを通り越して激痛が走るほど。これが職人によってマイルドな仕上がりになるのだからまさしく熟練の技と言えるだろう。
豆の蔵元

味付けも機械化できない要因の一つ。豆のサイズや重さなどで左右される

 この後は、菓子の乾燥と冷却。秘伝の味付けをした豆菓子を温風で乾燥させたら、暖かい豆を固まらないようにほぐしながら冷却。最後の豆冷却時に職人が出来の悪い豆や異物の混入をチェック。冷却と同時に行われるので手早さが必要な工程となっており、ここでも職人の技を見る事ができた。
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冷却機の上で手早く選別作業が行われる。出荷時のクオリティはここで決まる

 最後は袋詰め。豆菓子の風味を保つ様に窒素ガスを充てんして出来上がりだ。  カリっと仕上がった豆菓子は、天ぷらやカリントウの様に油で揚げていると思っている人も非常に多いそうですが、実際にはひたすら煎り機で焙煎して仕上げているのです。  油を一切使わないヘルシーな豆菓子。テレワークのお供や酒のつまみなどいろいろな状況下でも美味しく食べる事が可能。 日本の伝統的なお菓子の味に触れてみてはいかがでしょうか? 文/板倉正道 取材協力/豆の蔵元(光栄ピーナッツ株式会社)
テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク
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