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二拠点居住のために山を買いたい人へ。8700坪の山を買った経験者からのアドバイス

家族の成長とともに変わっていく山とのつき合い方

 最初は、子どもたちのために始めた二拠点暮らしだったが、お子さんたちが成長するにつれてご夫婦だけで山に来ることも増えたという未織さん。 「大学生になった長男も、親がいないときに房総の山にやってきて相変わらず自然を楽しんでいるようですし、家族の成長とともに田舎とのつきあい方が変化していくのもいいかなって思います」
山を買う楽しみ

写真は、近隣に住む陶芸家・西山光太氏が、未織さんの山の土で焼いた「あわ焼」。地元産の粘土を探していた西山氏が、とある縁で未織さんの山の土を使ってみたところ、しっかり焼き締まる良質の粘土だったのだ。「こうして、少しでも私の山が地域のために役立ってくれるのは本当にうれしいです」

 まったく地縁のない都会の家族が山暮らしを始める。普通だと地域の住民に警戒されがちだが、未織さんたちは時間をかけて信頼関係を築いていけたという。「その点では本当に感謝していて、自分たちなりに必ず恩返しをしていきたいですし、これはまだ内緒ですけど完全移住も少しずつ考えているんです……」

二拠点居住は「楽観的な人」に向く!

 現在、リモートワークによる就業スタイルの大きな変化によって「二拠点居住」を検討する人が増えている。15年以上前から都内と南房総市に居を構える未織さんによると、こうした二拠点スタイルは楽天的な人にこそ向いているという。
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「田舎」ができたことで家族みんなが逞しく楽しく成長できたし、たくさんの出会いもありました

「ふたつの拠点を行き来しつつ、家族とのスケジュールもパズルのように調整しなきゃいけないので、なかなか思うようには実行できません。外作業をしたい時期に雨の日が続いたり、何かしらのトラブルで到着して即帰宅なんてことも珍しくない。“まあいいか~ ”ぐらいに思える人じゃないと、ストレスがたまりまくりますよ(笑)」 取材・文/西野弘章 撮影/林 紘輝
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人生を格段に豊かにする方法教えます

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